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四国に呼ばれたねこ

2022年8月、香川へ移住してきた。香川で出会った方々に、移住してきたんです、と言うと、
「転勤ですか?」
「結婚を機に?」
などと訊かれる。相手によって対応を変えるのは良くないのだけれど、その場限りの相手とか、あるいは話を簡潔に済ませたいときは、
「旅行で来て、気に入って移住しました」
とその場をやり過ごすための嘘をついてしまう。

でも、きちんと話さなければいけない相手だと判断したときには、このように言う。
「香川へは何度も旅行に来ました。けれど、実のところ、旅行する前から香川が好きでした」

この発言を受けて、興味を持ったように目を輝かせる人が3割、理解できずに戸惑って半笑いになってしまう人が5割、明らかに訝しげな表情になってしまう人が2割、というのが今のところのねこ調べ。目を輝かせる3割と仲良くしていたい。

そういえば、私は大学時代から「私は四国に呼ばれている」という趣旨の発言をしていた。当時、周囲では、怖がる人と面白がる人が確か半々くらいだったけれど、この発言の方が余程スピリチュアルに思われていただろうな、と思う。

困ったことに、私自身でさえ「四国に呼ばれている」感覚がなぜこんなにもあるのか、まったくわからないのだけれど、もしかして、と思うのは、中学生の頃に読んだ村上春樹の「海辺のカフカ」だった。主人公のカフカ君が夜行バスで高松へ行くシーンがあって、高松という土地を意識した始まりだったような気がしないでもない。

それにしても移住するほど…?と本人も思う。でもまったく後悔していない。むしろ楽しすぎる。こんなに楽しくて夢なのってくらい楽しい。これが移住して半年以上経った今の感想。



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