意外な一言

鎌倉市役所に用事があって自転車でのらくら向かっていると、犬を連れた女性と、保育園児のお散歩の群れに出くわした。

手押し車にすっぽりと収まった4名の園児、車を押す先生、園児とその手をつないで歩く先生が2組、合計9名の、カルガモの親子みたいな群れだった。

犬はしつけのできてない小型犬(イタリアングレーハウンド)で、なかなか行きたい方向に行けない女性は、眉間にしわを寄せながら必死にリードを引っ張っていた。

私、園児の群れ、犬と女性がちょうど曲がり角あたりで集合する形になったとき、急に、犬が園児に向かって、すごい勢いで吠え出した。

園児たちの顔が恐怖で引きつり、私は大丈夫かなと思いながらゆっくり角を曲がっていた。
そのときだ。園児の1人が恐怖で歪んだ顔のまま
「かっこいいぃ〜」
と、か細い声で言った。
わたしはその一言にビックリしたが、手をつないでる先生は、「かっこいいねー、ワンワンワン!」と慣れた感じで園児にリアクションをした。
わたしはそれにもちょっとビックリしたのだった。

第一声が、こわい、より、カッコいい、なのか、、、
自分に向かって吠えてくる同じ背くらいの動物に憧れを抱いたのか?
物心ついてない子供って、もしかして食われるような場面でも、食う側の事をカッコいい〜とか思うんだろうか、とかいろいろ想像して楽しかった。

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