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こんにちは、タカキです。望月ミネタロウ先生の漫画『ちいさこべえ』を久しぶりに読みました。

この漫画は、山本周五郎さんが書いた小説が原作で、古き良き日本の下町的人情が描かれた作品です。

チャットGPTによるあらすじはこのような感じです。

物語は江戸時代を舞台に、火事で全てを失った大工の若主人・徳次郎が再起を図る姿を描いています。

火事で親方や職人仲間を失い、廃墟となった工房の再建を目指す徳次郎は、幼なじみの少女・おりつと協力し、孤児たちの世話をしながら奮闘します。
彼の硬い信念と人間関係の葛藤を通じて、人間の強さや優しさが浮かび上がります。

徳次郎は、様々な困難に直面しながらも、自分自身と向き合い、人々の信頼を勝ち取るために努力します。

この過程で彼が成長し、周囲の人々と共に新しい未来を切り開く姿が感動的に描かれています。

ChatGPT

物語の主人公は若棟梁の茂次(しげじ)と家政婦のりつ。ChatGPTが間違っていますが、あらすじはだいたい合っています。

この漫画の素晴らしいところは、「義理」「人情」「助け合い」など日本人の美徳とされていることを大切にしながら、若者たちが成長しようと足掻く姿が描かれているところです。

大火事で焼け落ちてしまった児童養護施設にいた5人の子どもたちを勝手に預かった家政婦の「りつ」は20歳。

彼女は病弱な母親を養うため、キャバクラで働いていましたが、母親が亡くなり、一人になったところ、大留(おおとめ)に家政婦として雇ってもらいました。

大留は歴史の古い工務店。しかし、地域で発生した大火事で焼け落ちてしまい、棟梁とその奥さんも亡くなってしまいました。

その大留を継いだのが若棟梁の茂次。「大留」の再建には人もお金も時間も必要です。

そんな時に、りつは5人の子どもを家で預かると意地を張り、茂次の意見を聞きません。

「どんなに時代が変わっても人に大切なものは、人情と意地だぜ」

これは大留の棟梁、若棟梁の茂次の父の言葉。苦しい状況の中で、子どもたち5人を養いつつ、大留の再建に取り組んでいきます。

そんな物語の中でこのようなエピソードが語られます。

462年、大泊瀬幼武天皇(おおはつせわかたけるのすめらみこと)(第二十一代雄略天皇)は、妃に桑の葉を摘ませ、養蚕をすすめようと考え、臣下であるすがる(すがる)に蚕を集めるように言いました。

するとすがるは誤って子どもを集め、天皇に献上しました。「蚕」と「子」が同じく「こ」と発音する語であったため、勘違いしてしまったのです。
天皇は大笑いし、連れてきた子どもたちをすがる自身で養育するように言い、少子部連(ちいさこべのむらじ)という名を与えました。

日本書紀

そして、臣下のすがるは、子どもたちを育てあげたというお話です。以降、すがるは「ちいさこべのすがる」と呼ばれたのだそう。

なんともおもしろい話。このエピソードは、茂次の幼馴染の「ゆうちゃん」によって語られます。

地元の信用金庫の支店長の娘である「ゆうちゃん」は、大火事で焼けてしまった地元全体の支援と大留の再建のため、ボランティアで子どもたちに勉強を教えに来てくれていました。

この臣下のすがるは、のちに天皇から「雷神を捕まえろ」という命令を受けます。それは、無理難題を要求し、すがるを困らせるためだったのですが、すがるは、本当に雷神を捕まえて来たのだそうです。

この「ちいさこべのすがる」からタイトルの「ちいさこべえ」が取られているのだと思います。

とても素晴らしい漫画なので、お時間あれば是非読んでみてください。

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