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キャリアのサバイバル術

今週、キャリアコンサルトの更新講習(5年ごとの更新条件として、一定時間の講習受講が義務付けられています)を受けてきました。

テーマだった「キャリア・サバイバル」は「キャリア・アンカー」診断の生みの親エドガー・シャインが唱えた概念です。要は、キャリア・アンカーという価値観は、環境や組織のニーズと調和させていかないと活かせないという考え方です。自分の価値観だけでキャリアは築けません。

ドイツの有名な社会心理学者レヴィンの公式に表されているように、人の行動やそれに伴う業績(B)は、変数である本人の性格/能力(P)・環境(E)で決まるといえます。

B=f(P・E)

B=Behavior(行動)
f=function(関数)
P=Personality(個人の性格、能力)
E=Environment(労働条件、組織風土、上司のリーダーシップスタイル、コミュニケーションスタイルなどの環境条件)

キャリア形成上、自分のやりたいことが現実的かどうかを点検する視点としてWill/Can/Mustのフレームワークがあります。やりたいこと(Will)を実現する上で求められる役割・責任・労働条件等の職務要件(Must)を理解し、それを引き受けるだけの準備や自信(Can)があるかどうかを一つひとつ点検していくというものです。

このフレームワーク(WCM)はリクルートが採用して有名になっていますが、私も社内のセルフ・キャリアドックで取り入れています。企業内で中堅(ミドル層)になってくると、公私ともに関わる人が多くなり、様々な問題を抱えるようになります。自分の周囲にはどのような人がいて、どのような期待をされているのかをすべて書き出し、自分に向かう矢印を引き、それぞれの人やグループから求められる役割・期待を明確にしていくことで、自分を取り巻く人的環境(E)を理解することができます。
人的環境を図式化した上で、役割の「曖昧性」「過重」「葛藤」について検討し、次なる行動を考えるという実践的なサバイバル術となります。仕事上の問題で悩んでいると思ったら実は家庭の問題が大きく影響していたと判明したり、周囲を取り巻く環境を理解することで自分という存在をさらに深く見つめ直す契機にもなったりします。

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