下半期に向けて 菩提心 般若心経と株
上半期が終わり、下半期が始まりました。休日や三連休を活用して心を整えるのは、とても良い時間の使い方だと思います。これまでの軌跡を振り返るのに最適な時期ですね。
数十年前からの日誌や相場帖を振り返ると、成功した時や窮地に陥った時の心の在り方を見直すことができます。何度目か数えられないほどですが、下半期の相場に向けて決意を新たにしました。私にとって重要なのは「慢心を抑える」こと、そして「自他平等」を大義として神仏に祈ることです。
常に、「大欲」の根源となる弘法大師空海の説いた
「菩提心を因となし、大悲を根となし、方便を究竟となす。」を大義とし
語訳)~悟りに向かって立ち上がり、相手を救ってあげたいという
自他平等の気持ちで行動を起こすことが人間として行う最高の行為と見なされる~
祈りは人間の力を超えるものです。加藤先生の相場を目の当たりにして、この目に焼き付けたのは先生の「祈りの深さ」でした。たとえ先生と近しい方でも、あの祈りの深さを知る人は少ないでしょう。信心深い方とわかっていても、厳しい御行を欠かさず行じることは経験者でなければわかりません。
当時、先生からいただく電話の内容のほとんどが「祈り」についてでした。毎日1時間以上の祈りについてのお話でした。「相場と祈り」についての話が多く、一万回の真言行を一緒に行じていたので、当時、手厚い指導を受けました。
相場が始まると、多くの投資家が入り混じります。成功しているうちは味方、逆に向かえば敵となります。相場は個々の投資家のポジションによって判断基準が変わる魑魅魍魎の世界です。
まさに「色即是空 空即是色」の般若心経の経文そのものです。真言宗豊山派密蔵院さんの現代語訳がわかりやすいので、下記にリンクを貼ります。投資家の心模様が映し出されています。
加藤先生が説いた「般若心経と株」と題し、晩年に作り上げた会の名前は「般若の会」でした。成功を得た人は加藤大明神と讃え、失敗した人は悪と罵る。相場の世界ではどちらでもないし、どちらかにも該当する「空」の世界なのです。ここに先生の深い思いがあります。
相場は買いと売りに分かれ、買いの軍勢は上げると歓喜し、売りの軍勢は下がると歓喜します。どこまでも捉えようのない世界で、時間軸の経過と共に相場は留まることがありません。
このような相場の世界に入るには「無意識」であることが重要です。意識と反対に動くのも相場ですが、無意識に心を置くことで天が導き、不思議を垣間見ることができます。
相場の仕事をしていると、数々の不思議に出会います。無意識の状態で板、高値、安値、終値、罫線などで不思議を垣間見ることができます。逆に意識して相場に触ると無理が生じます。これは経験しないとわからないことです。
感触、感覚、直感を感じ取れるようになります。意識して値頃感から入ると、その相場は上手くいかないことが多いです。長年上がらない銘柄がそれに当たります。
祈り~無意識(真言)~行動(発心)~帰命頂礼(天におまかせ)をすることで「導かれる」。慢心を抑え、有頂天にならず、常に謙虚であることを今一度、心に刻み 残り下半期 挑みたいと思います。
実るほど、頭を垂れる稲穂かな
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