音楽喫茶

 こんな田舎町にも喫茶店はかなりあります。週に6回は違う喫茶店でモーニングを食べながら新聞・週刊誌を読んでいます。殆どの喫茶店にはBGMが流れていますが、知っている曲が流れることが少なくなりましたので、ボイスレコーダーに聴きたい曲を入れてイャフォーンで聴くようにしています。正直言って今の日本の音楽は理解できません。だから聴きたくないのです。それを聴くぐらいなら音はよくないのですがイャフォーンで好きな曲を聴いた方がましと思うからです。年のせいだと思います。前にも書いたと思いますが、ビートルズが来日して大流行しましたが、嫌いな人も多かったのは事実です。その時高校生以下の若者に受けたのですが、卒業していた人たちには騒音にしか聞こえなかったと考えています。現在の年齢で言うと77才以下の人が楽しんだと思っています。それ以上の年の人には騒音だとしても。
 しかし、私の大事な趣味の1つはオーディオです。だから基本的には好きな曲はいい音で聴きたいのです。昔は許す限りいい音が聞きたくて、それなりのオーディオ機器をそろえていましたが、終活でそれらの殆どを手放してしまいました。家族には理解されませんので、私の死後はガラクタとして処分されるのが分かっていたからです。そしてそれらの機器を処分しようと思えたのにも理由があります。
 私の知り合いのご夫婦は現在60歳代です。夫は地元出身者で現役の時は他県で働いていました。そこで妻と知り合い退職までそちらにいたのですが、退職を機にこちらに帰ってこられました。妻にとっては知り合いもないところですが、社交家でしたのですぐ知り合いもでき、活発に地域活動を始められました。しかし夫は寡黙な人であまり人付き合いもせず、趣味としてオーディオをされていました。私は最初妻の方と知り合いになり、趣味がオーディオと分かると、夫のために家に来て集めたオーディオ機器を聴いて欲しいと言われました。何度かお邪魔して聴かせてもらいました。いつでも来て下さいと喜ばれたので、いい音が聞きたくなったらお邪魔すればいいと、私物の処分に踏み切れたのです。かなりずうずうしい事だとは思いますが・・・。
 このご夫婦が昨年家を新築されオーディオルームを作って、そこを喫茶店として開業されました。10脚程度の店ですが何度か行きました。しかし、殆ど毎日喫茶店でモーニングを食べているのと、他の趣味が忙しくて最近はあまり行っていませんでした。この間メールを頂いて開店1周年記念なので来ませんかと誘われました。そういえばしばらく行ってないなと久しぶりに行きました。先客が2人いました。私ほどではないにしろある程度の年齢の人たちで、野良着・普通の着衣でした。聴いている曲はクラシックだったり古いロックでした。客のリクエストでかける曲が決まるので、田舎でも気軽に音楽を楽しむ人たちがいるのだと感じ、いいなと思いました。クラシックを聴いていた人はロックがかかると、ロックを聴いていた人は私の吉田拓郎のリクエストにそそくさと帰り、私1人が自分の聴きたい曲を十分に楽しめました。若い頃何度か行ったジャズ喫茶・名曲喫茶よりも自分のためだけの喫茶店だと十二分に楽しめました。

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