見出し画像

心頭滅却したいワタクシ

自己を形成する、最低限の、物理的な存在をニンゲンとするなら、脳と神経と感覚器官だけの存在こそ「ニンゲン」と言うべきか?

とはいえ、呼吸器官や消化器官などが感覚入力や情報伝達と無関係だと言い切れるか?

オートバイで事故るたび自問自答するこの類の問いかけに答えがある筈も無く、ただただ体のあちこちが痛み苦しいのを避けるため身体を一切切り離した存在としてニンゲン規定出来たらどれだけ幸せか?

純粋な思念のみの存在としてのワタクシ。

そんな仮想の存在を妄想しながら住所氏名年齢を救急隊員に応えるワタクシは、Twitterにどんな写真投稿するか早速悩んでいた。痛々しさを伝えつつもフォトジェニックな投稿ができなければ事故った甲斐すらもない。

(インスタントフィクション Story 023)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?