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妄想としての不倫

恐怖と政治とか、泥と試合とか、黒と歴史とか、言葉が言葉とくっついて凄い強烈な意味に変わる瞬間って、あるやん。

こいつがこういうことを言い出す時は、何か言いづらいことを切り出す時の緩衝材のようなものを二人の間に乱雑に起き始めた時だな...、研二はそう思ったのだが、瑠璃子はそんな予防線をビクともせず突破してきた。

妄想不倫してるでしょ、あなた?

研二はあくまで平静を装うことに決めて、少しだけ間を取って呼吸を整えた。

なんでそう思ったん?

... 敢えて瑠璃子の目を見つめながら善意の第三者風に回答した声が落ち着いていたことに研二は満足を覚えた。

(インスタントフィクション Story 028)


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