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紛れもなく優しいスピーカー

祥太郎、よお帰って来たな。

去年買って、買ったことを忘れていたスマートスピーカーが懐かしい祖母の声で話しかけた時のなんとも愛おしい気分..。

お前の自動車こおちゃろう思うとった定期預金、暗証番号をメールで送っといたから、好きな時に使ええ。

あのテスラの新車がついに買えそうな金額になった時に、十分お釣りの出るくらいの金額を渡してもらった時の嬉しさ..。

決まり切ったウィキペディアからの引用や、せいぜい天気予報や最新の政治ニュースの読み上げくらいしか期待していなかったオレの意表を突く祖母の再来だった。

祥太郎、短気は損気じゃ、まあこの歌でも聴いて心を鎮めえ。

学校で研究が滞ってしまい、研究仲間に日々アタっていたことを見透かされたような祖母の慰め..。無償の愛がそこに存在した。プライム料金さえ支払えばだが..。

(インスタントフィクション Story 011 )


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