己の中に生み出してしまった懐疑心。杉岡大暉が坂本紘司の一言で抜け出した『薄明かりのトンネル』。

迷っていた。もやもやしていた。そして、それがついに吹っ切れた―。

ルヴァンカップ準決勝の柏レイソル戦。ファーストレグ、セカンドレグの２戦共に左ウィングバックでスタメンフル出場した杉岡大暉は、ボールを持てば積極的に仕掛け、正確なクロスボールを送り込むなど、躍動感溢れるプレーを見せた。

これが本来の杉岡大暉のプレーだった。しかし、この試合に至るまでの彼は、どこか消極的で、プレーのキレも無かった。

どこかおかしい―。

筆者は今季の彼のプレーを見て、ずっと疑問を感じていた。