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手触り感について


今週は、最近悶々としている「手触り感」について書いてみようと思います。

分断という強い言葉を使って正しいのか分からないが、分断を感じることが多い。
多くなったというよりも、潜在的にあった分断要素が、露呈し始めていると言ってもいいのかもしれない。
政治は、コロナ禍において重要な装置だという認識が深まる一方で、ポピュリズム、ナショナリズム、リベラリズムのプロバガンダ状態に陥っている。
米中対立に始まり、中国とEU、中国とアフリカといった中国を中心とした課題や問題も露呈している。(中国だけが一方的に悪いとは個人的には思わない)
それが、WHO、WTO等の国際機関にまで課題を露呈させている。
日韓も含めて、泥沼状態になってしまった。
国際的な協調が必要な今、世界は全然違う方向に走り出しているように私には思える。
社会は、マスク有無問題、SNSでの誹謗中傷、失業率高騰、格差や貧困の拡大、教育格差、地方と都市、働き方と言ったあらゆる階層やフォルムで分断が進んでいるように見える。
今まで気づいてきたものが、通用しなくなる、否定されることは、誰だって面白くないし、信じがたい。
人は常に変化を恐れる。
日常の身近なところで、分断が見え隠れする。
まさに分断が可視化され、始まった。

そして、分断を広げる要素として、情報の肥大化と先鋭化にあることは否めない。
普通に、一般的なことを今や発信しても、誰も振り向いてくれない。
何かしら、とんがって、鋭角が強ければ強いほど注目される。
マジョリティはマジョリティ内で。
マイノリティはマイノリティ内で。
当たり前のことを当たり前に発信しても、40ゼタバイトにもなる情報量の中では、埋もれていく。
私はアンジャッシュ児島さんの方が好きなのに、
毎日のように興味も無い渡部さんの記事が飛び込んでくる。(別に彼が嫌いな訳ではない)
本当にどうでもいい。
件の多目的トイレの記事や写真とかほんとどうでもいい。
しかも、それなりに歴史あるメディアや発信力のあるメディアが配信している。
これもまた記事の旬や鋭角からいえば、今PVを稼げる記事であるので仕方がない。
少しでも注目を浴びるのであれば、奇抜さやちょっとした下品さが必要なんだろう。
でも、本当にそれでいいのだろうか?!
情報は、私は取捨選択する側が判断すれば良いとずっと考えていた。
しかし、それはひょっとしたら昔は情報は有償だったからかもしれない。
感度の高い情報は、一部の人が有償で手に入れるものだった。
今は、国民総評論家の時代。
無償でいくらでも情報は手に入る。しかも、時間をかけてサーフィンすれば、それなりに感度の高い情報も手に入れることはできる。
しかし、本当に大事な情報は、やはり今の時代も有償で手に入る確率が高いと思う。
(有償とは、人やその場所にしか無い情報も含めて)
有償が全てとは思わないが、情報は今後は有償で手に入れる時代が再来する。
そしてその価値が、更に高まっていく。
今や有償無償の垣根も曖昧だが、分断を情報が煽っていることだけは事実だろう。

今は過渡期とは思うが、一度分断したものを、再度融合させることは、案外と難しい。
今少しだけ日常に戻ってきているので、余計に様々な分断が見えすぎる。
そんな中、やはり時に「閉じる」ことも必要だと最近思う。
拡散と放出をするには、一旦収縮しないといけない。
今、私はそっと「閉じて」みる。
人は人。
自分は自分。
誰かと比べっこしても意味なんか無い。
自分がどうしたいかだけだ。
そして、信じるべきものは、半径数メートルの「手触り感」のある情報だけなのかもしれない。
私は飲食店の店員さんの気持ちや今の状況を、本当には分からない。
でも、自分が食べて料理を運んでくれた店員さんのことは、少しだけ分かるかもしれない。
Uber eatsでギクワークしている人の気持ちや今の状況は分からない。
でも、運んで来てくれたお兄さんと話せば、少しだけ分かるかもしれない。
この小さな「手触り感」のある情報を、有償な情報と繋ぎ合わせて思案する。発信する。
「手触り感」の無い情報は、少々乱暴だけれど、結果意味が無い。
だって件の多目的トイレの写真なんて、手触り感のある人は、渡部さんと当事者の人しかいないでしょ。妻の佐々木さんにも手触り感は無いと思うしね。
間違いなく「手触り感」のある情報の価値が、より重要になる。
人間には24時間しか無いので、手触りできるモノやコトは、そんなに数は多く無い。
今まで以上に「手触り感」を大事にしてみます。
そして、みんなが「手触り感」を大事にすると世界は少しだけ良い方向に向かってくれる気もします。
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今週はこの辺で。
では、また来週お会いしましょう。
人生一度きり!
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MomentExperience(瞬間体験)
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自分らしく生きる時代

布施卓人

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