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漫才 痛客

A はい。
   こんにちは。
 今日もいい天気で。
B なんやその初対面の人同士の入り。
A なんかBさんが相談があるみたいで。
B そうそう。
A 悩み事がおありとのことで。
B この間さ、二十歳のこと知り合いまして。
 その子がさ、LINEでご飯行きませんかって言うてきてて
A そうなんや、で、その子とどこで知り合ったの?
B 飲食店で。
A 隣に座ってて?
B 隣には座ってたな。
A 声かけたんか。
B かけたような、かけられたような。
A なんや、フワフワしとるの。
  で何を悩んでるんや?
B そこに真実の愛はあるのか、私は被害を受けないのか。
A この間初対面やろ。
B そうや。
A なんでそこで、真実の愛とか被害とかの話になるんや。
B 実はな。
A うん。
B 飲み屋さんやねん。
A なんや、何をたまたま居酒屋さんで知り合った体で話してんねん。女性の方が接待してくれる店やろ。
A あ、あ、それは同伴や。
B 同伴って?
A まず女の子とご飯を食べて、その後その子が
 働いているお店に行く行為や。そこで売上に協力するまでがワンセットや。
B 営業やないか。
A 営業やろ。
B でも違う可能性あるやろ。おれに興味持ったとか。
A はい。出ました。ご都合ロマンチスト。
 あなたどれだけその子と話したん?
B ほとんど、話してない。
A どこの世界に40超えたおっさんにいきなり興味持つ20歳がおるねん。
 加齢臭のする。
B 加齢臭気をつけてるわ。
A お前どう言うシチュエーションでその店行ってんねん。
B 知り合いのお金持ちの社長さんと行って、めっちゃ払ってたわ。その人。
A どこにある店?
B 六本木。
A 100パー、同伴だから。金を使ってくれるお客さんの連れやから、客になると思うたんやろ。
B 違ったらどうするんですか。
A だったらLINE返してみぃや。
 ご飯行きましょうって。
B 同伴だったら高いお金払うんやろ。そんなのお金無駄やわ。
A 見ず知らずだけど、真実の愛までお前語るほど興味あるんやろ。その子が必死に影響営業してるんやから、リスペクト持って接しようや。
B えー。
A わかった、おれに携帯貸してみい。
 おれが打ったる、白黒はっきりつけるLINEを。
B 怖いな、送信しないでよ。
A  (LINEに文を打つA)
お誘いありがとうございます。
私は、このようなお誘いをいただいたこと恐縮しています。
今年40を超える身として真実の愛を探しております。
同伴、マルチ商法、デート商法、ビザの不正取得、保険金殺人全てに怯えております。
このお誘いをお受けしてもよろしいでしょうか。
よろしければ再びご連絡いただけますことを祈念しております。
B そんなの返信返ってくるかい。
A それが答えや。

A.Bどうもありがとうございました。

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