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母親

もう十二時を過ぎて、母の日は終わっている。

オレの母親はかなり大らかな性格だが、めちゃくちゃ押しが強い。

押しの強さは、時に空気を読まない。

オレが高校を中退するために、朝高校に行かないために寝たふりをしてたときは、たかひろが起きないと父親に言い、明らかに寝たふりをしてるオレを、父親を呼んでベッドから引きずり出させていた。
オレは決して目を開けず、寝たふりをし続けていたが。

未成年だったオレは競馬にはまり、母親の財布から、拝借して競馬をやっていた。
家に泥棒がいると言われて、警察に突き出すわよと言われていた。

高校を辞めていて、もう二度と高校に行くつもりもなく、競馬と映画で過ごしていた日々が終わりを告げることになったのは、母親のおかげだ。
ある朝だ、たかひろ、頼むからここを受験してほしいと言ってきた。
オレは嫌だよと言った。
母親はたかちゃん頼むから行ってきて、お母さん心配だからと何度も何度も言う。
オレも先の見えない生活だった不安もあって、いつなのと母親に言ったら、今日が試験日だと言う。
また、オレは急だろ、嫌だよと言った。
そこで母親は諦めず、たかひろ行ってきてと強く強く言われた。
オレはそこで母親の根気に負けた。
そこで入った新宿山吹高校でオレの人生が変わった。

そんな母親だが、弟が亡くなったときの落ち込みは凄かった。毎日泣きながら般若心経をあげ、弟の名前を呼び続けた。
家族は、めちゃくちゃになり、誰からも期待されていないはずのオレだったが、迷惑をかけた分、オレが頑張らないといけないと思った。

今思えば、色々あったことは全て母親の愛情からオレに良くなってもらいたいという思いで、言われてきたなと思い、オレはオレが思う道で頑張ることにした。

ネットで誹謗中傷、リアルな嫌がらせを受けていたときも、たかちゃん負けちゃダメよ、正しき道に行きなさい、この二つの言葉を言われ続けて、オレは今がある。

いまだに押しが強くて、会うと母親が一方的に話しているけど、母親には感謝しかない。

お母さんいつもありがとう。

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