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HUG for ALLのこと 【103/200】

ヤマカワタカヒロです。

昨日12/19は、理事を務めているNPO法人HUG for ALLの団体設立3周年オンラインイベントでした。

「HUG for ALL」は、「すべての子どもたちに安心できる居場所と生きる力を」をコンセプトに掲げ、児童養護施設の子どもたちへ、継続的に、様々な「まなび」や「体験」の提供を行っているNPOです。

児童養護施設や里親制度、他にも様々な「家庭的養育が困難な子どもを社会で育んでいく」社会的養護のしくみがありますが、その内容は残念ながら、広く社会に知られていません。

僕自身も、初めてボランティア活動で関わった2016年まで、ほとんど何も知りませんでした。

時々、虐待に関する痛ましいニュースを目にするけれども、それは本当に氷山の一角に過ぎない。僕らが暮らしているこの社会は、本当に多くの人々が生きづらさを感じながら、必死でがんばって生きてなんとか成り立っているのだということを、僕は2016年からの5年間で、ようやくきちんと直視することができるようになってきました。

経済的困窮、虐待・育児放棄、親の精神疾患、など、社会的養護の庇護下に入る子どもたちの事情は様々です。また、今もなお、社会的養護に枠組みに入れずに、苦しんでいる子どもたちも非常に多いと想定されています。

ネットニュースを見て「親が悪い」「政治が悪い」とつぶやいて満足することは、あまりに簡単で、あまりにも浅はかで、あまりにも無責任な態度なんだと、この社会課題を知れば知るほど、理解するようになりました。

シンプルに「今、何をするか」に集中して、同じ気持ちを持った仲間たちと行動していくこと。
HUG for ALLは、そういう団体でありたいと考えています。

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HUG for ALLは現在、一つの児童養護施設に月に1〜2回の「まなび支援」と、年に数回の「体験支援」を提供しています。対象は、小学生〜中学生。支援を開始した年度から、子どもたちの学年も上がり、2021年4月からは、最高学年の子どもたちは高校生になります。
施設職員の皆さんが子どもたちの親代わりだとすると、我々ボランティアは親戚のおじさんおばさんのような存在でありたい。施設の職員の皆さんと力を合わせて子どもたちを育み、施設退所後の自立まで含めて支援を続け、ゆくゆくは社会人の仲間として酒を酌み交わす日が来る、なんてことを楽しみにしています。

今、支援をさせていただいている施設で、子どもたちや施設職員の皆さんとの関わりから、僕らは本当に様々なことを学んできました。
単純な「教え込み」による勉強の指導ではなく、子どもたちの学校や施設内での状況や気持ちに向き合い、寄り添って、その子らしい認知や興味の特性に合わせて、まなびや成長を楽しむ支援をすること。
継続的な関係性を大切にして、対話・言語活動を通じて読解や表現について深め、広げていくこと。
社会で活躍している様々な大人たちとの出会いを通じて、自分の未来を思い描くこと。
僕たちがこれから、様々な施設に提案・提供していきたいサービスについて、形がはっきりと見えてきました。

この2020年は、コロナ感染拡大で継続的な施設への訪問が難しくなり、オンラインでの支援のあり方を考え、施設現地訪問とオンラインを組み合わせたハイブリッド型の支援活動の枠組みをつくりました。
逆境を機会に変え、オンラインをうまく活用するモデルに進化させることで、この先、様々な施設へのサービス提供ができる可能性が広がりました。

ボランティア活動を通じて知り合った代表理事の村上綾野がHUG for ALLを設立して3年。活動の立ち上げ時から個人的に支援をしてきて、正式に団体の理事として引きずり込まれて2年弱。
団体として、進むべき道ははっきりしてきて、あとは進むだけ。
目下は、2施設目へのサービス導入に向けた準備と、持続可能性のある組織づくりと、志をともにできる仲間たちに出会うためのWEBサイトのリニューアルを含めた広報機能の強化と、他にも様々な事業課題に取り組んでいます。



今回の3周年イベントで改めて思ったことがあります。

それは、HUG for ALLの活動に賛同して集まってくれている仲間たちの素晴らしさ。

みんな、本業を持ちつつ、ライフワークとして、子どもたちのため、よりよい社会づくりのために、手を挙げて集まってくれているメンバー。
20代から60代まで、本当に様々な背景やキャリアを持った人たちが集まっています。

本業では責任ある役職についていて、HUG for ALLではただのひとりの大人として子どもたちと純粋に向き合っているメンバー。
本業で築いてきたビジネスの専門性を団体運営に提供してくれているメンバー。
立ち上げ時から応援してくれて、今は出産・育児でいったん離れてはいるけれど、引き続き活動を見守ってくれているメンバー。

本業だけをやっていたら交わることのない多様な大人たちが、「子どもたちのため」に集まって、真剣に考えて、真剣に楽しんでいます。目指しているのは「大人の部活動」。多様性を認め、むしろ多様性から学び合い、ライフステージの変化に柔軟に対応しながら、時に深く、時に少し離れたところから、いろんな距離感で関わることができる団体。これから先、支援先が増えるにしたがって、関わる子どもたちが増えるにしたがって、子どもに直接関わるボランティアも、団体運営に関わるスタッフも、たくさんの素敵な大人たちとのつながりを増やしていきたい。そうやって、これからも、素敵な仲間たちと一緒に、一歩ずつ、前に進んでいきたいと思っています。

設立記念パーティでも歌った、HUG for ALLのための歌「おいで、ここに。」

本業も社会活動も音楽活動も、誰かのため、あの子のため、自分の願いのため。

想いを同じくする仲間たちと一緒に、人生を楽しんでいきたいと思っています。


HUG for ALL3周年の翌週は、ヤマカワタカヒロ42周年のアニバーサリーライブです。

こんなご時世だけど、こんなご時世だからこそ、万全の対策をして、生音・生ライブを届けさせてください。
皆さん、どうか、お身体に気をつけて。

noteを読んでくださりありがとうございます。 歌を聴いてくださる皆様のおかげで、ヤマカワタカヒロは歌い続けることができています。 いつも本当にありがとうございます。