静岡県知事辞任

 静岡県の川勝平太知事が辞職の意向を表明しました。4月1日、新年度に新たに県職員となる方々に向けて訓示を行っていたそうですが、「県庁というのはですね、別の言葉でいうと、シンクタンクです。毎日毎日野菜を売ったり、あるいは牛の世話をしたり、あるいは物を作ったりということと違ってですね、基本的に、その、皆様方は頭脳、知性の高い方たちです。ですから、それを磨く必要がありますね。で、それは磨き方、色々あります。知性を磨くということ、それからですね、やっぱり感性を豊かにしなくちゃいけない。体がしっかりしなきゃいけませんね。」というところが問題視されました。


 釈明会見では「マスコミの切り取りだ」みたいなことを言っていたのですが、全文を読んでみても、この意味はこの通りにしか受け止められません。とはいえ、私自身は言葉尻をとらえて、やたらと批判するようなことは好きではないのですが、この方の発言というのは言葉のアヤとかではなく、心根がにじみ出ているようでとても残念です。


 しかしながら、地物と指示は強いようであと一年で四期目の任期満了となります。静岡県に住んでいないので、政治的な成果というものがよくわかりませんが、報道で聞く限りでは一つも良いことがありません。以前の失言騒動では県政初の辞職勧告決議が提出され可決、それに対して、賞与と一ヶ月分の給与の返上を表明したが、実は返上していなかったなんて言う情けないこともやらかしています。


 今回の発言も何を言っているやら情けない限りですが、その発言に対する取材中に突如辞めると言い出しました。辞職勧告決議までされて辞めなかったのに、こんなにあっさりやめてしまうものなのかと驚きましたが、先月末、JR東海がリニア中央新幹線の2027年開業を断念する方針を明らかにしたところだったので、「コレがあったからお役御免か」と邪推してしまいました。そしたら辞任の記者会見でリニアの件で「大きな区切りを迎えた」と言っています。後任指名したとされる方には「リニア延期で役目を果たした」なんてことを言っているなんて言う話も聞きました。そういうこと平気で言ってしまうのですね。


 稲盛和夫氏の著書「生き方」で、この方について言及しているのが残念でなりません。私の座右の書なのにどうしてこの方の名前が載っているのやら、残念でなりません。しかしながら、「生き方」が刊行されたのは2004年、この方が静岡県知事になる前ですからセーフだと思い込むようにします。

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