公用車の車検切れ

 自治体の公用車が車検切れの状態で走行するというケースが相次いでいるそうです。職員が交代で乗る公用車は、管理の意識が薄れがちという声もあるそうですが、救急車などの緊急走行する車の車検が切れていたケースまであるのだそうです。

 山口県では、県の公用車が700台あり、車検切れを起こした部署では部署別で最大のおよそ200台を抱えているのだそうです。しかしながら、200台もあれば、年間にならずとほぼ毎日のように車検があり、車両を車検に持っていき、車検が終わった車両を持ち帰るルーティンで、その他の軽い整備や点検などを実施すればそれだけで1人分くらいの仕事になってしまうでしょう。逆に少ない部署とか、めったに車両を使わない部署の方が車検切れがありそうに思えます。

 職員が車検切れを隠そうとして、車検証の写しの有効期限を書き換えたなんて言うこともあったようです。何をやっているのやら、そんなことをしたところで、どこかで発覚するのは眼に見えているでしょう。我々運送会社にいるものとすれば、信じられないような事態ですが、役所の方っていうのは、車を運転することがメインの仕事ではありませんから、車両の管理は若干脇に置かれてしまうのでしょうね。

 とは言え、一般の方が普通に購入する車両でも、ディーラーさんから車検の案内を頂くことがほとんどだと思います。私も自分の車の車検を忘れてしまうことがありますが、ディーラーからの案内で事なきを得ております。そうでなくても、フロントガラスにシールが貼ってあるのですから、気にしてみるようにすれば良いのですよね。いや、そんなことを言っても、毎日乗っている自分の車で忘れているのですから、業務で乗り回しになる車の車検ステッカーをしっかり見ろと言っても説得力がありません。

 運送会社では1人の運行管理者が最大30台までドライバーと車両を管理することが出来ますが、整備管理者については事業所単位となっています。1つの事業所にたくさんの車両があると整備管理者は大変ですが、運行管理者も車検で車両が使えないとなれば仕事に大きく影響が出ますから、両社でしっかりと協力して管理して頂ければ問題ないはずです。

 しかし、この報道、どこどこの自治体が無車検で951㎞走行させた、こちらでは579㎞走行させたなんて書いていましたが、これこそ五十歩百歩の話で、不要な気が致しました。

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