雑談の一流、二流、三流


 桐生稔著「雑談の一流、二流、三流」を読みました。著者は大手人材派遣会社の営業で左遷を経験するも、一念発起して売上No1になり、現在は株式会社モチベーション&コミュニケーションの代表取締役として、社会人のリアルコミュニケーション力向上のために研修事業等を行っている方です。

 「木戸に立てかけし衣食住」なんて言う言葉を初めて聞きましたが、き=季節、ど=道楽、に=ニュース、た=旅、て=天気、か=家族、け=健康、し=仕事、い=衣料、食=食事、じゅう=住居を話題にすると話が広がるというものだそうです。しかし、これに頼るのは二流で、一流は「誰もが絶対に興味があるネタからはじめる」とありました。いや、そんなことが出来れば苦労はないわけですが、1:食べること、2:動くこと、3:働くこと、4:お金を使うこと、5;寝ることの5つは人間が毎日やっている大事なことだから絶対に興味があるとのことでした。「木戸に~」よりも項目が少ないので応用しやすいかもしれません。

 話が止まってしまった時に困るなんて言うことがありますが、三流は黙り込み、二流は無理矢理話題を探し、一流はといてば踏襲話法で話をつなげるということでした。「踏襲話法」も初耳でしたが、文字通り、前の話を受け継ぐやり方だそうです。「話が止まったら、無理に新しい話題を見つけるのではなくて、前の話から自然につなげる方法です。」とありましたが、それが出来たらそもそも話は止まらないのではないかと思ってしまいました。

 「三流は○○、二流は××、一流は、、、」という形式で、「一流はこうする」というところを解説してくれていますが、全編通してこの形式というのはちょっと苦しいのかなと思えるようなところもありました。

 個人的には、自分のキャラクターを大げさに打ち出すと雑談に困らないような気がします。以前はカープファンであることをそれほど人に話していなかったのですが、ちょっと初対面の方が多い場面の時に、カープファンであることを強く打ちだしたら、「カープ調子いいですね」みたいな感じで、話しかけられるようになり、雑談に困らなくなったように思います。とはいえ、政治と野球と宗教の話はご法度と言われもしますから、コレが良いとも限りませんね。

 いずれにしても相手のある事なので、雑談は相手次第、ニック・ボックウィンクルが言っていた「相手がワルツを踊れば、私もワルツを踊り、ジルバを踊れば私もジルバを踊る」というところが大事なんじゃないかなと思いました。ボビー・ヒーナンの悪行はいただけませんが、良いこと言ってくれますね。

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