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葉刈りとは?[盆栽技術②]

第二弾は梅雨時期あたりにやる技術の「葉刈り」です。

もちろん、必ずやらなければならないものではなく盆栽が元気な状態でなければ見送りましょう
逆に言えば、1年かけて元気をつけるように管理する。(水やり、日当たり、施肥、など)

【作業】

葉を切り取ること

【目的】

・小枝を増やして、葉を小さくする。
・樹を小さく維持する。
・古さを作る。
・自然なら1年1回分の成長サイクルを2回させることで2年分得られる。

【種類】

・全葉刈り
・片葉刈り(葉透かし)
・部分葉刈り
・葉切り

【時期】

梅雨時期(5月末〜6月末)
気温、湿度ともに適期で成長期。

葉刈りする樹木は?

基本的に雑木盆栽。
(欅、楓、ソロ、シデ類、花梨、ツタ、山梔子、縮緬葛、、、)
松盆栽で葉刈りは「芽切り」にあたる。

⬛︎全葉刈り(ケヤキ、カエデ、ソロ、シデ類

すべての葉を切り取ることで、内部に日当たり、風通しが良くなり、ふところ芽が活性化される。

[やり方]
葉に柄がしっかりあるものは柄で、ケヤキのように短いものは葉の付け根ですべて切る。

葉を切り終わったら、2〜3芽残して切り詰める。(小枝を増やす芽摘みの原理原則)

再び出た小枝も必要に応じて、芽摘みや葉刈りをすることで小さく維持して、小枝を増やす。

※もみじは基本、全葉刈りしない。

⬛︎片葉刈り[葉透かし](葉量の多いカエデ、モミジ、、、)

新梢が固まる4月中旬〜6月頃に、枝先の葉を1枚残して他の葉を切り取る。全葉刈りよりも葉が残ってる分、負担が少ないので期間内に数回できる。
葉量は半分になるので枝は太くなるのを防ぎ、内部に日当たり、風通しがよくなり、ふところ芽が活性化する。

[やり方]
基本的にはすべての枝に対して行う。
各枝の3節残して剪定して、残った枝先の1枚を残して、葉を切り取る。


⬛︎部分葉刈り


強い枝からでている大きい葉だけを切り取る。力のかかった枝葉を切り取ることでその力が内側に行きふところ芽が活性化される。そこで出た芽は力が抑えられている為、小さい葉になり、バランスか整う。

 ツタなどの蔓性の樹木は部分葉刈りをすることで流れができ、景色を作ることができます。


⬛︎葉切り(樹勢の弱いモミジ)

頂部と外側にある強い葉(大きい葉)の一部を鋏で切り取る。

葉刈りほどの負担をかけず、デメリットが少ない。
内側に日当たり、風通しがよくなることでふところ芽、胴吹き芽か活性化する。

[やり方]
5月頃に頂部と外側の大きな葉に対して、葉脈を寸断しないように縦に半分、3/4に切り取る。葉量や樹勢を合わせて選ぶ。

【葉刈り後の管理】

・全体の姿がよく見えるようになるので整枝する。(不要枝の剪定、針金掛け)
・芽摘み、葉刈りする
・芽吹きの補助の為に霧水を枝に吹きかける
   (1日2〜3回)


こんな感じですね。
盆栽の景色を作っていく為に必要な技術です。
ただし、盆栽が元気ならばです。

また、次回違う技術を!

最後まで読んで頂きありがとうございました。

松尾隆弘

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