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ベビーカーを卒業するとき

僕の住んでいるエリアは、主要駅から離れたよく言えば閑静な住宅街。公園も多くて子育てには恵まれている場所だが、とにかく坂が多い。コンビニ、スーパーどこに行くにも坂を越えなければならない。そんな場所柄もあり、保育園の電動自転車率は9割を超える。

保育園の入園が決まったとき、わが家の移動手段は、「20インチのミニベロ×2台」「ローン支払い中の軽自動車(ハスラー)」「徒歩」だった。完全なDINKs仕様。

そこで、電動自転車購入に関する家族会議が開かれた。僕も妻も人とちょっと違った物にトキメク性格で、電動自転車のママチャリ感がどうしても好きになれない。
結果としては、徒歩圏内以外で家族移動する時はハスラーを使うので、電動自転車の購入は見送るということに。

ちなみに妻はこの後、通勤のために街乗り用スポーツバイクを購入していた。

保育園の場所は、大人で徒歩5分弱だが、歩きはじめの子供だと何分かかるか分からない。1分1秒を争う朝の通勤時間帯にこの不確実要素は、正直つらい。というわけで、入園してからずっとベビーカーを使っていた。

そんな娘も2歳3ヶ月を迎えたある朝、
「ベビーカーのらない。あるく。」
と言い出した。
イヤイヤ期特有のそれとは違った、なにか決意のようなものだった。

心の中では乗ってくれー!って思っていたが、その決意めいたものを無駄にしないようと、僕も歩く覚悟を決める。

しっかり手を握り颯爽と歩みを進める娘。たまに「てってってってっ!」と言いながら小走りをする。縁石に登り得意げにバランスをとる。そして滑り落ちる。

そんなこんなで、定刻より5分遅れで保育園到着し、先生に「きょーあるいてきたのー」と自慢する娘であった。

親の都合でベビーカーに乗せ続けていたけど、これからは、歩いて保育園にいこう。

あと、5分早く家を出よう。

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