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かつお

魚屋をしている以上どうしてもカツオを捌かなければならない時があります。
カツオが取れる地域で魚屋を始めてしまったため通算15匹程捌いたのですが、最初はそれはひどい物で。
三枚おろしまでは簡単なのです。
手順としては先に背鰭を引き剥がして背鰭付近の硬い鱗をとります。
その後鰭の硬いところを交わしながら頭を落として普通の魚同様に三枚おろし。
普通の魚と同じように腹骨を漉いて、三枚おろし終了。
何が難しいかと言うと皮引きです。
多分魚の中でもトップレベルで難しいかもしれません。とても柔らかく破けやすい。
普通の魚と同じように頭や尻尾側からやるとほぼ失敗します。
一番簡単な方法は左頭にして薄い片刃の包丁(柳葉がお勧め)で血合骨の部分を交わして5枚おろしの要領で切れ込みを入れ、皮一枚残します。その皮一枚のところから血合骨背中の部分から腹側に向かって手前に皮を漉きます。片側の節ひっくり返して同様に。
カツオのサイズが小さいほど、柳葉が長いほど楽です。一般的な柳葉でやる場合はカツオの大サイズだと難易度が高く中サイズ、小サイズ、シマキリサイズが簡単です。
ただこの皮一枚を切らないようになるまで、多分5本くらいは練習しないと綺麗に出来るようにはならないでしょう。
カツオといえば土佐ですが、ご当地の土佐刃物は両刃が殆どで両刃を使うととても難しいです。
ウチは周りで何処の店に行ってもカツオを売ってるので関東から注文がない限り滅多に仕入れませんが開始7ヶ月でやっとまともにカツオの皮が引けるようになりました。
初鰹の季節ですが機会があればぜひ挑戦してみてほしいですね。
スーパーで一本売りしている所はありませんが、もし欲しい方がいたら土佐清水であれば私含め朝水揚げがある漁協にいる仲買さんに声かけて頼めば格安で競り落としてくれますよ。
家で飲み会をする時など、大人数の場合カツオの歩留率は包丁の腕次第で約50%。初心者さんで40%程になりますので1キロくらい集まった人で食べられるのであれば中サイズ(2-2.5kg)を一本丸買いがお勧め。
もし高知県に遊びにくるような方が居れば試してみるのをお勧めします。
注意点は本ガツオの二割ほどの確率で固かったり臭かったりするゴリカツオが混ざっています。これは目利きでは判断できないので補償もできず完全に運になります。
ちなみに私が前回引いたゴリカツオは柵どりの際包丁がゴリゴリ音がするだけならず、身がカメムシの匂いがしました。
四万十市はキャンプ場が多いのでもしご希望などがあれば是非ご相談ください。

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