データドリブンの極意を読んで

どんな本?

 ストーリーとしては、社長の経験と勘で全てを決定していた企業の経営状態が悪化してきたことをきっかけに、CDO(最高データ責任者)を経営に参画させることになる。そのCDO直下の組織に兼務で抜擢された主人公が、最初に与えられた仕事が「マスターのところに行って勉強すること(いわゆる研修)」だった。言われるがままマスターの元を訪ねたところから繰り広げられる、主人公(Apprentice)とマスター(Master)の対話形式でストーリー(day1~day4)が進んでいく内容です。
 最初のうちは不信感を持ちながら話を聞くApprenticeが次第にMasterを信頼して、データドリブンの素晴らしさを学んでいく様はまさにDATA Saberに挑戦する前の自分を見ているような気持ちになりました。

読み終えての所感

  • DATA Saberの動画とかぶる部分もありますが、動画で聴き逃しやすい口頭の説明部分を書籍として字にしてくれているので、挑戦中の方はもちろん内容を復習したい方や挑戦を迷っている方、Tableauの表現方法に悩んでいる方などにおすすめです。

  • データドリブンという一つの文化を浸透させるために、必要となる心構えや覚悟を教えてくれる本です。

  • 白黒のKindle端末で読みましたがおすすめしません。色を使った説明が多分に出てくるので、読む際は紙書籍の方が絶対おすすめです。私は2冊買うほどの財力はないので、Kindle版のみで紙書籍は読んでいませんが、、

良かった点

  • Ord2,4,7の復習につながる点(技術試練挑戦中の方には尚良い)

  • day4の内容がBootCamp動画には無い部分が多く、新たな学びになる

  • データの加工についても語られている点

ここからは内容に対しての共感ポイントを書いていきます

 まず前提として、我々が目指す世界は、全ての人がデータリテラシーを持って対等に議論ができる世界です。ではデータリテラシーを身につけるために、全ての人が持つべき能力とは何か。
 ここでは4つ紹介し、それぞれに対しての共感ポイントを書いていきます。

データストーリーテリング

データの背景にあるストーリーを導く力

→なぜストーリーが必要になるのか
 ・記憶に残る:短時間で伝えたい内容を正確に伝えられる
 ・人の心を動かす:相手の考えを引き出し、思考のフローを起こす
共感点:学生時代、要点のみを淡々と伝える授業を聞くよりも、先生の過去の話や具体例を交えて話をしてくれた授業の方が強く印象に残っています。中には一生忘れないであろう内容もあり、その中の一例として、道徳の時間に「学ぶ≒まねる」という話をしてくれた先生の授業を今でも記憶していて、私の中の勉強の概念が変わったことを覚えています。
 この話を聞いた時まさに、思考のフローが動き、その後の勉強方法が変わった瞬間だったなと思いました。

データビジュアライゼーション

データの内容を視覚的表現からスムーズに理解し、かつその表現を選び取る力

→思考のフローを止めないために人の記憶について理解する
・感覚記憶、短期記憶、長期記憶の中でも感覚記憶を意識したデザインを作ることが重要となる。
・視覚属性について一言でまとめると「考えなくてもわかる自然なデザインを目指す」こと。
共感点:位置や色に意味を持たせて理解を促すことは、何もTableauに限った話だけでなく、パワーポイントを作成する際や、何かを人に伝える際にも生きてくると思っています。


データの基礎プロファイル

データがどんな行動の結果であるか、粒度などを把握できる力

→データとは:記録
→情報とは:データを活用できる形にしたもの
→情報系システム:データを情報にするためのシステム
・データの価値は決めるものとは
 「正確か」「量が揃っているか」「鮮度が高いか」の3点
共感点:社内でもこれ何の意味があってやってるの?と感じる作業が多いと感じています。目的としてはデータ集めなのですが、人の手で集めるデータには下駄を履かせたデータや自分に対する甘さ、厳しさ等が含まれている場合が多く、人それぞれの主観で選ぶ数字が変わってしまい、正確な状況分析を行うのが難しくなると感じています。人の手間や時間を使って集めるデータよりもやはり自然とデータが集まる仕組みを整えることが、データドリブン文化の浸透には不可欠なのかなと思いました。

分析プラットフォーム

データを共有基盤に置き、最新の安全なデータ・分析結果・意見がシェアされることで、文化が醸成されると知っていること

文化を作るために必要なもの3点
・教育、プラットフォーム、コミュニティ
 会社のポリシーとは別に独自の技術を駆使して勝手なデータフローを作っている人のことを「Shadow IT」と呼ぶそうです。
 「Shadow IT」の活動は現場の実態を把握していることも多く、技術に明るい人も多いので、彼らを早いうちに巻き込めると浸透も早い。
 新しいことを学ぶことを放棄して、変化を拒む人たちに遭遇した場合は周囲の人から変えていくのが良い。
共感点:これらのことは実際に私が所属している会社でもそのまま使えそうだと感じています。全体的に変化を拒む人が多いので、まずは外堀から埋めていくことを常に心がけていこうと思います。

最後に、、、

残念だった点

本著への期待が高かっただけに残念だった点を2点ほど書いておきます。

  • 説明する上では仕方ないことだが、 Masterの語りが長すぎる所がある(対話形式を取っている意味が無いと感じる部分があった)

  • 白黒のKindle端末で読むと、色相と彩度の説明の所が全く入ってこない(これは私が残念だった点なので、注意喚起を含めて書いておきます)

 以上です。
 慣れないブログ投稿でヘタクソな文章ですが、最後まで読んでいただいた方ありがとうございました。
 また、書きたいことが出てきたら書いていきたいと思います。

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