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クラシックギターの感想をもとめて『マチネの終わりに』

おはようございます。人形を作り、それをつかった写真作品を作っているサイトウタカヒコです。タイトルの写真はかつて制作したエレキギターです。まちがえている訳ではないですよ。
(Portfolio Website:http://saitotakahiko.strikingly.com)

3月のはじめからnote上で連載している平野啓一郎さんの新作小説「マチネの終わりに」との連動企画に参加しています。(よろしければひとつ前のノートをご覧いただければ…)

昨夜はこの小説の主人公の蒔野聡史にちなんだクラシックギターのソロコンサートへ初めて行きました。Marco Del Grecoというイタリアはローマの生まれの男の人で20代前半で東京国際ギターコンクールで一位を受賞した才能の持ち主です。
会場はイタリア文化会館で大雨のためかイタリア人気質かゆったり10分遅れでスタート。暗くなった舞台の真ん中にライトの光が一筋、そこにネクタイなしのスーツ姿のMarcoさんがギター片手に登場。椅子にすわりそれからおもむろに弾き始めます。(Grand Overture Op. 61 Mauro Giuliani)

…ここからは感想ですがタイトルどおり音楽の素養がほんとうにないので、技術・技巧的な感想はまったくありません。書けませんでした。悪しからず。

強く印象にのこったのはギター奏者がお客さんと一人正面から向き合い演奏する姿についてでした。ピアノやバイオリンのように真横を向かず、ひとり数百人のお客さんと向き合いギターを弾く様子はなんだか朗読か一人芝居を見ている気分にさせられます。コンサート中盤で武満徹さんのEquinoxという曲を弾くのですが、弦を押さえる左手やはじく右手。彼の目線、表情。くっきりと見える様子に単に緊張感があるようでもあり、でも優しい印象のこの曲自体だけではない感情や解釈をくれるよう思いました。
立場をかえればその分ひとり向き合わなければならない奏者もより客や会場はては天候などによる空気など色々なものにさらされるのかなとも思いました。

たとえば「マチネの終わりに」のもう一人の主人公小峰洋子が蒔野のコンサートに再び訪れる機会があるなら…その光景を思うとワクワクしてきます。

…なんだかお芝居の感想みたくなってしまいました。
このMarco Del Grecoさんはあと17日と19日に東京都内でリサイタルをやるそうです。

今更「コンサート」と「リサイタル」のちがいに気づきつつ、お別れです。

#マチネの終わりに


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