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「もふ」という猫の話③
おっちゃんの後について行くといろんな猫に会うことができた。
何匹くらいの猫にごはんをあげたか、ちょっと覚えてないけどようやく僕らは「もふ」と会った場所まで来た。
もふは見当たらなかった。
白と灰色の小柄な猫が近づいてきた。おっちゃんは、こいつはカゼひいてるんだと、どうやら薬までもってきてるらしく、ソーセージに薬を混ぜたものをあげていた。
おっちゃんとカゼひき猫をしばらく見守っていると、なんと「もふ」が現れた。
とりあえず「もふ」が元気そうで僕らは安心した。
おっちゃんにきくと、ある家を指差して、あそこで世話してた猫だ、と教えてくれた。
でも主に猫の世話をしていた奥さんが最近なくなられたらしく、今は旦那さんだけになり、世話が行き届いていないとか。そんなことを話してくれた。
話していると「もふ」に良く似ている猫がやって来た。
おっちゃんはその猫は「もふ」の子供だという。
もふは母親だったのだ!びっくりした。
天涯孤独でここに捨てられた猫、と勝手に思い込んでいたけど、ぜんぜんそんなことはなかったのだ。
でもさっき聞いた話だともふの今後はとても気になる。
野良猫でないならもし連れて行く場合ちゃんと許可をとりにいかないとだ。
話をきいた感じだと、旦那さんはそこまで猫好きではないらしい。
それに「もふ」と「もふ」の子供だけではないのだ。
その家ではほかにもたくさん猫を飼っているらしく、今ではすこし放置気味らしい。
すこしあとでわかることだけど、この地域にはものすごくたくさんの外猫がいた。どれくらいが野良で、飼われてるのかはわからないけど。
おっちゃんは散歩の途中なので、僕らに必要な情報をくれるとささっと行ってしまった。おっちゃんありがとう。
登山道に入るおっちゃんを見送り、「もふ」と残された僕らは、ああ、これは、ちょっと手に負えない問題なのかもしれないなと思っていた。
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