クリスマスプレイリスト

しめちゃんへ

もうすぐクリスマスだ。
街は色んな色の電球できらめき、人々は血眼に幸せを求めている。
私は毎年家族と家で過ごすことが多い。染みをつけないでよと怒られながら赤い布をテーブルに引き、唐揚げがプチトマトとブロッコリーで彩られスパゲッティが大皿で山盛りに出てくる。通っていた造形教室で作った牛乳パックろうそくに火をつけて、この日はいつもは禁止されている歌いながらご飯を食べても良かった。

この記憶が一番鮮明なのは小学3年生あたりだ。クラスの子達の暴露大会によりサンタクロースがいないのかもな、が7割に達し不安に覚えていた。私は随分ファンタジック脳で魔法も妖怪もきっといるに違いないと思っていたし、出来るだけ信じたくて給食の時間 目の前の嫌いなしなしなインゲン入りのクリームシチューを一心不乱に食べていた。
この頃好きだったセーターもブーツもしっかり覚えている。イルミネーションも信号が光っているだけで嬉しかった。駅前のツリーが自分よりずっと大きいこともそれはもう嬉しかった。

今の私は小学生の私のクリスマスへの感情をフィルターにしてみている。この「クリスマスメガネ」をしている本人は懐かしい喜びの感情と現実との間にすこし冷たい温度を感じながら過ごすのだ。
今年のクリスマスはかなり多忙なのと心に余裕がないので、食べ物や飾り付けまで気を配れなさそうだ。そんな中で移動中電車の中で作ってみたプレイリストが私が唯一クリスマスを感じる場所になりそう。

日本の冬の音楽はなんだかバラードが多かった。今はそんなこともなくなっているのだろうか。いつかのクリスマスは全員が一曲を聴きながら過ごし年越しへ向かっていく感じがしていた。きっとその流れを作ったのは私の大好きな井上陽水と吉田拓郎達だ。彼らが作ったそんなに売れなかったクリスマスというアルバムも今は愛しい。好きや嫌いはともかく肌寒さや汗のにじみ四季に寄り添った曲が必ずあって口ずさむ。そんな風潮はなくなってきている気がする。誰がSNSで半袖ではしゃいでいても距離が近いような感覚のままふうんと言えるのだ。

しみったれた空気がある行事の裏側はクリスマスソングらしい声の裏にシャンシャンと鈴が鳴り、ミルクにブランデーを垂らしたような甘美さのある篭った玉置浩二の声が頭で響く。
雪降る白い夜でどこか見えない誰かの誕生日を、誰もが同じ情景で歌っている様は何だか可笑しくて神様は本当にいるんじゃないかと思う。知らない誰かへ送る言葉は目の前の君に送られる。それがタバコを並べたサヨナラの言葉だとしてもね。

小学生の時公民館で毎年あったクリスマス会で、ロウソクを持ちながらきよしこの夜を歌ったあの時にみたいに、目を閉じてと言われてちゃんと目を閉じていた私がいたことを思い出す。
高い性差のない子供の声はカラカラとどこか空っぽで発するとともに空に消えていく。

子供の頃、大人がたいそう大事に迎えているこの日が、どれだけ特別なのか考えるだけではしゃぎ出しそうだった。隣のお姉さんが駆け出すほど、二度と来れないかもしれない洋食屋がにやけ出すほど嬉しかっただろう。
下に今回作ったプレイリストを載せたので合わせて聴いてくれる嬉しい。
あなたのクリスマスソングと一緒に私も良いクリスマスを。

悲しみにさよなら
安全地帯

恋人がサンタクロース
松任谷由実

クリスマスバニラシェイク
井上陽水奥田民生

雪のクリスマス・カード
南佳孝

トロイカ

Songs for Christmas
Sufjan Stevens

Christmas Songs
フィービーブリジャーズ

チキンライス
浜田雅功 & 槇原敬之

Christmas Time Is Here
ヴァンスガラルディトリオ

Did You Spend Christmas Day In Jail?
Rev.J.M.Gates

外は白い雪の夜
吉田拓郎

堕天使の羽音
沢田研二

あなた
L'Arc-en-Ciel

マイレディ
ガロ

りんより