狐につままれる、または星空の仕業。
人の優しさの数珠繋ぎで過ごした1日。
それを「愛」というらしい。
昨日見た、満天の星空は
その前兆だったのか。
今日でブルターニュの
ソロバカンス終了。
いやぁ、最高な日々だった。
と、
昼過ぎに公共バスでカンペール駅まで行き
1時間ほど待った後パリ行きTGVに乗る…
…予定だった。
が、
こういう時に限ってハプニングは訪れる。
出発準備完了、
別荘を出る直前に
荷物をチェックすると
財布がない。
すっかりカバンに入れたものだと
思い込んでいたのに
どこを探しても見つからない。
ない。
最後に財布を使ったのは
昨日お昼に行った
魚屋さんのお会計のとき。
行きに3キロの片道を歩いていた時、
その前の日は財布を持って行かなくて
ジャケットのポケットが
もっと軽かったんだよな、と思ったっけ。
昨日の帰り道、
その重さがあったかどうか?
ん?
思い出せない。
魚屋のベンチで食べた
牡蠣が美味しくて
蛤と牡蠣を大量に購入して
母にビデオ電話をして
ルンルンで
大好きな湿原の林を帰ってきたことは
覚えている。
財布は?
魚屋のベンチに置いてきたか?
もしかしたらあの道で落としたか?
でも、あの3キロを再び
往復する時間はない。
そんなことしたら
パリに帰る電車に間に合わなくなる。
どうしよう。。。。。
昨日の夜に
満天の星空を見て
夕暮れ時も最高で
夕飯もめっちゃ美味しく食べて
気分相当リフレッシュできて
無敵とまではいかないけど
かなり復活できたと思ったのに
どうしてこんなことに
なるのーーーー!??
頭の中は大パニック。
電車には間に合わないだろうし、
財布無くしたら
滞在許可証も
フランスの保険証も紛失する。
日本円も少し入ってたな。
カードは別のところに入れてたから
なんとか大丈夫だけど、
明日からベルリン行くのに
滞在許可証がなくて行けるんだろうか。
なにしろ、財布を落としたのか
盗まれたのか、
別荘のどこかにあるのか、
全く検討がつかない。
一日財布の確認もしないで過ごした私が
馬鹿だった。。。。
道端に落ちてたって
ここはフランス
見つかるはずがない。
それとも海辺で落としたか?
家に空き巣に入られたか?
焦りながらも
とりあえず魚屋に
電話してみることにした。
「すみません、
昨日食べに行ったミチコですが。。」
「あーーーー!やっと電話くれたわね!
お財布でしょ、赤いの。」
「そうなんです!
やっぱりベンチに
忘れちゃってましたか!」
「なかなか電話してこないんだもの。
お店じゃなくて、常連客が道端で拾って
うちに届けてくれたのよ。
それで村役場に届けておいたから、
取りに行くのよ!」
「ああああああ、ありがとうございます!
とりあえず役場に電話してみます。
ありがとうございました。
また食べに行きます!!」
というわけで村役場に電話。
「すみません、
〇〇魚屋から財布が届けられたと…」
「はいはい、ありますよ。」
話をすると、私の今いる場所から
車で15分くらいらしい。
車で来てない私は、、
タクシー以外方法なし。
役場からタクシーの番号を
3件ほどもらって
片っ端から電話するも、どれもNG。
ウーバーもバスもなし。
もう一度、ネットで調べて
最後の望みと思ってかけた電話は
女性の運転手さん。
事情を話すと、
「ギリギリになるけど、
なんとかするから待ってて」
ということで
ソワソワしながらも待つこと2時間半。
最悪、パリに戻るTGVを
次のに変更すればいいか。。
と、だんだん穏やかな気持ちになる。
14:15 口約束したとおりの時間に
運転手のヴェロニクさんが到着。
幸先が良さそうだ!
そこから15分、
役場に到着すると
私が着いて顔を見るなり、
名前も聞かずに財布を出してくれた。
そりゃそうだ、
この村にアジア人の顔は他にない。
ヴェロニクが辺りを一周している間、
せっかくなので
村のパンフレットをもらった。
ますますこの村が好きになってくる。
運転手ヴェロニクさんと
この村のこと、今日起きたこと
最近落ち込んでたけど
ここに来たら治りそうで
また来たいっていう話をした。
至って普通のこんな話が
本当に優しくて生きてる時間に感じた。
14:55 予定通りカンペール駅に到着。
TGVは15:15発。
全てが仕組まれていたかのように
予定通りにパリに戻ったのだった。
たくさんの思い出と
愛を太陽を連れて。
ドラクエみたいな旅、
もうやめていただきたい(笑)
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