バーンアウト
自分のことをうまく伝えるのは
何語であっても難しいのかもしれない。
察してくれよ、と思うこともあるけど
そんな人ばかりじゃないのが世の中。
実は現在
burnoutしてしまっている。
過労だ。
最初気づかなかった。
これが問題だった。
こんなに楽しい本番やワークショップをやって
好きな人たちに会えて
旅も色々できて最高、
パリに戻ってもすぐに
ヘンデルの本番でソロたくさん歌えて
コンサートは大成功
なんて恵まれてるんだろう
パリの相方も忙しいなか
コンサート駆けつけて喜んでくれて
…なんて思っていたんだけど、
その晩までは良かったし、
翌日にベルリンからの友人と
うちでディナーして色々話して、、、
そこまでは良かった。
その日の晩のこと。
朝6時になっても眠れない。
ベッドに入ったのは1時過ぎ。
どうやっても眠れないのだ。
すごく疲れてるし、
睡眠不足も溜まってるし
時差ボケも一体どの時間帯かも
わからない状況。
午前にはベルリンからの友と打合せが入っている…
…眠れない。
どうしたらいいのか
さっぱりわからない。
理由がわからない。
何が不安なのか
何が起きてるのかわからない。
次の本番は金曜だし、休む時間はある。
打合せって言っても
親友とうちでノンビリだから
ストレスもないはず。
なのに、、、、、
「無理だ」
と心の叫び。
徹夜してしまった朝6時に
友にメッセージをする。
「今日は無理。本当にごめん。
ちょっと疲れすぎて、
今日一日、デジタルデトックスするわ。」
と送った。
世界中でもトップ3に入るほど優しい
その友達は
「大丈夫だよ〜」
ってことで、その日一日
結局人に会わず
家に篭った。
鬱症状が出てる。
とにかく悲しい。
とにかく理由がわからない。
心の不調はわかっているけど
近親の人間にも会いたくないし
連絡もとりたくない。
打合せを断った罪悪感もある。
携帯の電源も切っている。
家から出たくない。
家族や相方にさえ連絡したくない。
(どちらもそこに同調してくれる
タイプじゃないってのもあるけど)
っつか、連絡するのはいつも
私からがほとんどなんだけど。
私の家族と相方は
身体の不調は気にしてくれても
精神の不調は気にしてくれない
いわゆる野蛮な人々だ。
伝わらんな、と思うこともよくある。
敢えて言うなら
「おい、シカトしてんのかよ」と
言いたくなる時すらある。
挙句の果てには
「考えすぎだ」
だの
「病院行ったほうがいい」
だの言ってくる。
(病院行け、は私にはNGワード)
理解してくれないお前らは何なんだと。
こっちは全面的に信用してたのによ、と。
それなら、繊細な人と交流したほうが
建設的で健康的なのかもと思う。
でも本当に苦しすぎるとき、
人間って誰にも話せなくなるんじゃないかと思う。
そして、
それを共有できる人に話せたところで
共倒れするような恐怖もある。
こういう嫌な空気は伝染するし
できれば、良い人には移したくない。
なんでこんな落ち込んでるんだろ。
仕事たくさんしたしなぁ…
でも
このくらいの仕事量、
相方はもっと仕事してるし
他のミュージシャンや
日本で共演した「たまフラ」のお二人や
梅さんやよしえさんや
みんなみんな
私よりもずっとたくさん働いてる。
だから、私は
許容範囲超えるほど働いたなんて
言ってはいけない。
もしそう思ったら、甘えてる。
体力も精神力もないなんて
泣き言言いたくない。
でも、
だんだん言葉が出なくなってくる。
自分に何が起きてるか
自分にすら説明がつかない。
母に電話しても
不調な姿しか見せられず困らせるだけ。
相方にようやく文字で伝えようとしても
部分部分しか書けなくて
誤解を生んでいく。
打ち合わせの友人は
本当に優しいから癒しの言葉をくれるけど
そこに甘えて打合せをキャンセルしてしまう…
無理なもんは無理なんだ。
私には時間が必要。
じーっとする時間が必要。
でも、待たせることが罪悪感になるし
待たせたら見捨てられるかもしれないと
恐怖に駆られる。
そして甘えていると思われたくない。
仕事を失うかもしれない。
大切な人たちを
自分の不調で失うかもしれない。
何もかもがわからなくなった時
自分も他人も
何もかもへの信用を失った気になってしまう。
自信がなくなり
人が去っていく気がする。
たとえ近親の人々であっても。
自分が何のために生きてるかすら
見えなくなってしまう。
確かに病院にでも行ったほうがいいのかもしれない。
でも、
自分としてはなんかが違うんだ。
薬で矯正した感覚に違和感があるのは
昔、頭痛外来でもらった精神安定剤で
充分経験している。
葉っぱと変わらないし、お酒と変わらない。
(あくまでも個人的な見解です)
相方に「病院に行け」と言われたことに
そう簡単に人をジャッジするんじゃねーよと
無性に腹が立って
しっかり説明しようと思った。
何で落ち込んでるん?
何で外に出たくない?
何で誰にも会いたくない?
アンタの言うことには従えない。
こっちには落ち込む正当な理由がある。
元気になるの待っててくれって
言いたいだけなんだよ、
時間が必要だけど
いつ治るかまだわかんないから
それまでアンタが待っててくれるか
心配になっちゃうんだよ、、、、
それを考え始めたら、
やっと自分に今起きてることが
はっきり見えた。
現在バーンアウト確定。
一番認めたくなかったこと。
でも、かつて同じことが
何度となく起きてる。
これ何度も経験してたわ、私。
でも何度となく麻痺させて
自分にごまかす時もある。
ただし、今回のは結構大きめ。
誤魔化しようがない。
だから、緊急事態宣言が発令されたんだ。
納得。
自分のことをうまく伝えるのは
何語であっても難しいのかもしれない。
察してくれよ、と思うこともあるけど
そんな人ばかりじゃないのが世の中。
そして
自分に自分のことをうまく伝えるのは
もっと難しい。
ここでバーンアウトしたと言ったら
色んな人に心配してもらっちゃうし
今週末も仕事あるし
認めたくなかったけど
どうやら闇だけじゃないものが
少し見えてきたから
文字に起こしてみた。
息抜きの時間を作れないような
スケジュールにした責任は自分、とか
仕事を頼んでくれた人
レッスン希望してくれた人たちの
責任とか、一切ありません。
自分の精神力と体力が弱いせいでもない。
身体動かせとか、そういう理論は御免。
これからも
たくさんの仕事や出会いに楽しみたいし
仕事が詰まっちゃう時は
それはそれで有難いし、仕方がない。
それにその時は楽しいし完璧目指しちゃう。
耐えられる自分になるのが最善かもだけど
そう思ったって人はなかなか
変われないもの。
でも、今一つだけ分かったことは
これがバーンアウトだと言うことを
何も恥じることもないし
それを自分で認められれば
ちゃんと戻って修復していけるということ。
そして不器用で無骨な私の近親にも
勇気と辛抱強さでちゃんと説明して
少なくとも単なる気分障害じゃないことを
理解させるということ。
そして
人と比べないこと。
人に耐えられる基準が
必ずしも自分に同じ基準とは限らないこと。
また「こちらも忙しい」的な話には
耳を貸さないこと。
それを受け入れたら、人と比べ始めることになる。
自分の首を絞めることになる。
少なくとも
今の自分にそれに気づいて物を言える
最後の体力があって本当に良かった。
これでまた生き返れる…はず(笑)
※本当は日本滞在後記を書きたいところなんですが、この次に書く予定なので皆様待っててくださいね。
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