悔やんでも悔やんでも

東京生まれ東京育ちの私は、夫の転勤先で初めての地方住まいを経験。
カルチャーショックの連続でした。
特に驚いたことのひとつは、大人がすっぽり入りそうなほど
深くて大きな側溝が、囲いも蓋もなく至るところにあることです。

危ないと思い、ある日『市長への手紙』にメッセージを送りました。
2ヶ月ほどして、届いた返事に書かれていたのは、

「その深い側溝はどこのことですか」

私はその返事に気が抜けて、馬鹿馬鹿しくなってしまいました。
そこらじゅうにあるのに何言ってんの?一生ここに住むわけじゃないし
もういいや。
そんな気持ちになり、もうそれ以上はなんのアクションもやめてしまったのです。

それから5年後。
夫の転勤を終えて東京に戻っていた私は、
たまたま目にしたニュースに立ち尽くしました。
かつて住んでいたその土地で、通学中の小学1年生の男の子が、
側溝に落ちた帽子を拾おうとして、落ちて亡くなってしまったのです。

泣いて泣いて、後悔し、自分を責めました。
なぜあのとき私は諦めてしまったのだろう。
なかにいるとその異常さに気づかないけれど、
よそから来たからこそ、おかしなことに気づけるのに。
気づいた人間が改善しなければならなかったのに、
なぜ諦めてしまったのか。

子供の安全を守りたい。

区議会時代もこれからも、変わらない信念です。
産後うつの経験とともに、議員を志した大きなきっかけになりました。


1人でも多く苦しい子育てをしているママを救いたい。
子どもたちのために安全な環境を整えたい。

ただそれだけです。

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