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「なぜ私は報われないのか問題」について考える

「貢献する喜び」について、別のnoteに書きました。ざっくりまとめると、好きを仕事にしてうまくいくには、「人に貢献して喜ばれることへの喜び」を原体験として持っていることが重要ではという話でした。

一方、世の中では、「人のために貢献しているのに、なんだか喜ばれないし、人生がうまくいかない」と感じる人たちも一定以上います。

もちろん、そういう人たちの裏側で「別に喜ばれようとしてやっているわけでもないのに、やたら感謝されて、人生がうまくいく」という人たちもいます。

この違いは何なのか?ということで、これを「なぜ私は報われないのか問題」と定義して、ちょっと考えてみたいと思います。

まず、人間、他人に対して何か貢献したときに期待する「見返り」というのが、大なり小なりあるものと定義します。
現実は、「特に見返りを求めない行動」というのも存在するので、そういうケースは「期待する見返りがゼロである」と考えます。

「見返り」は、感謝の気持ちとしてありがとうと言われることであったり、プレゼントを贈った相手が喜ぶ素敵な笑顔が見られることだったり、営業だったらお客様から発注をいただくことであったり、社内の若手人材だったら上司にほめられることだったりします。
感謝の言葉、喜ぶ笑顔、受注、ねぎらいの言葉・・・これらを、ここではいったん(超乱暴ですが)「見返り」とくくってしまいます。

そうすると、「期待する見返り」について、2つの概念が存在します。

(1)「時間」の概念
これは、何か他人に対して喜ばれることをしたら、その見返りがいつ頃実現するのかについての時間軸です。
●期待する見返り時間が「短い」人は、すぐに見返りがこないとストレスが溜まります。
●期待する見返り時間が「長い」人は、すぐに見返りがこなくても気にしません。
この時間軸は、本人がせっかちだったり焦っていたりすると短くなりやすいかなと考えます(他人の成功体験を見て焦っている人は、自分も早く・・・みたいな)。

(2)「レベル」の概念
これは、何か他人に対して喜ばれることをしたら、自分が提供した分の大きさに対して、それに見合った相応の見返りがほしいと思う度合いです。
●期待する見返りレベルが「大きい」人は、かなりの見返りがこないとストレスが溜まります。
●期待する見返りレベルが「小さい」人は、見返りが特になくても気になりません。
このレベルは、他者評価に対して自己評価が高い人ほど大きくなりやすいかなと考えます(自分がしてあげていることは価値があるはずなのに・・・的な)。

で、「何か他人のために貢献した」ときに、その「見返り」が自分の期待する時間より短く(早く)返ってきたり、自分の期待するレベルより大きかったら「見返り貯金」がプラスされていく、逆の場合はマイナスされていく、ということじゃないかと。

そうすると、「見返り貯金」が貯まっていきやすい人と、常に借金状態になりやすい人がいます。

「早く、大きな見返りがほしい」と常に思っている人は、借金状態に。
「特に見返りはなくてもよいかな」と常に思っている人は、貯金状態に。

で、これ、貯金とか借金のように「お金」に例えましたが、こんな感じになっていると思うわけです。

【A】「見返り借金が雪だるま式に増えていく人」(例:いくらがんばっても受注がもらえないと感じている営業マンや、いくらがんばっても社内で評価されないと感じる若手)
【B】「見返り貯金が雪だるま式に増えていく人」(例:どんどんお客様からお客様を紹介頂けるような営業マンや、社内でいろいろな人から引っ張りだこのエース)
【C】「見返り貯金が増えたり減ったりでもがく人」(例:まだ成功体験や挫折についてはっきりした認識がない営業マンや、普通に社内でつつがなく仕事している若手)
【D】「見返り貯金に縁がない人」(例:そもそも仕事に対する熱意がないけど自然と売れる商品を扱っている営業マンや、社内で特に何もせずぼーっとしているおじさん)

ここで、最初の命題に戻ると、「人のために貢献しているのに、なんだか喜ばれないし、人生がうまくいかない」という人は【A】状態なのではと思うわけですが、いったんその状態になると、「見返りほしい」オーラが周囲に伝わってしまうので、それゆえ、色々とややこしくこじれてしまったりします。

同じことをやっていても、周囲から感謝される人と評価されない人がいたりするのは、この「オーラ」が原因になってるのではと。
あるいは、すごい作品を世に出している偉人がアイデンティティ問題で苦しむのも、こういうケースかなと。

いちばん肝になるのは、その貢献行為が実質的にどのぐらい立派なのかとか、貢献する人がどのぐらいすごい人なのかとか、その人の作品に世の中への貢献が実質的にどのぐらい大きいかとか、そういうのではなく、

【「見返りに対する自分の心理的な期待」がどうなのか】という点じゃないかと思った次第です。

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