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「好きを仕事に」は、何が難しいのか

これまで、数百人の個人事業主やフリーランスと1対1で話してきて、感じるのはこんなことです。

「好きを仕事に」で一番難しいパターンは、「自分はこういう動作が好き」系。例えば「食べるのがすごく好き→じゃあグルメ関連で何か」のような。「自分がこういうこと好き」だけだと、途中で燃料切れになってしまって、「ライフワークとライスワーク」みたいな図式になっていく。そうすると、ライスワークの時間がとにかくしんどい。でもライフワークだけで食べてくのは難しい・・・的な循環。

逆にうまくいってる人は、その先の「人に喜ばれた体験」からスタートしている。例えば「お店探しに困った友達から頼りにされることが多くて、感謝される体験がいっぱい→そんなに喜ばれるなら、こういうことしてみたらどうかな」の仮説検証サイクル。喜ばれるのが楽しいので、とにかくPDCAを回すのが楽しいし、喜んだ人はきちんとお金を払ってくれる。

「貢献して人に感謝される喜び」という体験が自分の中にしっかりあるかどうか、というのが大きなポイントだなと感じます。

この「貢献して人に感謝される喜び」というのを、若手ビジネスパーソンのうちに体験している人は、後々に好きなことを仕事にしやすい一方、その喜び感覚がない人は、「今の仕事は自分に合ってないから、好きなことや趣味を仕事にするために、専門のスクールで学ぶか・・・」みたいな感じになる。

往々にして、好きなことを仕事にしてうまくいってる人って、スクールで学んだりする前に、仮説検証サイクルを回す何かの活動を始めてしまっていて、いつの間にかビジネスが立ち上がっていることが多いんじゃないですかね。

もちろん、自分も教育事業に関わっているので、いわゆるそういったスクールビジネスを否定しているわけでは全くなくて(←社会的な意義もきちんとあると思います)、「人に喜ばれる体験」の有無がすごく重要では、という問題意識です。

で、「人に喜ばれる体験」を会社で勤めているうちに感じるためには、最初の上司というのは責任重大で、「貢献の喜びという成功体験」を一緒に作っていって、仕事の楽しさを新人のうちに感じさせられたらいいなと。

僕が最近の「働き方改革」とか「個の時代」論調に対して感じる違和感は、とにかく会社や仕事を思考レスで悪者にして、「つまんない仕事から抜けだそうぜ」みたいな煽りがエスカレートしていくことにあります。

「残業削減したり副業解禁するだけで、本当にみんな幸せになるのかな」って感じで、残業減って副業解禁されて、「あーこの時間つまんないな。早く夜になって副業したいなー」って思いながらライスワークしてる従業員でいっぱいの会社が、お客様に喜ばれるようなサービスを提供できるのかな、と。

そもそも、人に喜ばれる喜びがまったくわからないと、どんなに好きなことがあってもビジネスにするのは難しいのではと思う次第です。



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