親学誕生の経緯
親学誕生の国際的・国内的な契機は、2001(平成11)年の5大学学長会議と、2006(平成18)年の教育基本法改正でした。
ジェフリー・トーマス学長(オックスフォード大学)の発言
イギリスのオックスフォード大学ケロッグ・カレッジのジェフリー・トーマス学長が、2001(平成11)年の5大学長会議で発言した「学校でも大学でも教えていないのは、親になる方法だ。・・・親としての教育にもっと関心を向け、向上させることには、大きなメリットがあるのではないか」という趣旨の問題提起が読売新聞の一面記事に大々的に報道されたことに触発されて、同年3月に日本でも「親学会」が発足(私は副会長)し、その設立趣旨には、「本会は、児童虐待、いじめ、不登校、学級崩壊、家庭内暴力が話題となる現在の社会の動向に鑑み、子育ての原点に立ち返って、親子の絆を見直そうという趣旨から出発している」とあり、<目的>として、「親としてどのように子育てをすることが望ましいか、信頼し合える親子関係をつくるには何が大切か、さらには、家族から社会へと人間関係をどのように築いていくべきか、また、個人としての生涯教育の問題を話し合い、学び合って、それぞれが一人の人間として成長していく」と掲げた。
日本における「親学」誕生の経緯
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