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非営利組織の経営を考える ①(深掘りLIVE #4 文字起こし記事)

割引あり

キャンパスFM6214、メンバー限定ライブです。 今日は9月8日、第2金曜日。 深堀りライブということで、メンバー限定でお送りしております。

これまで「日本の音大に未来はあるか」(1回目)。「岸田内閣に未来はあるか〜支持率下落問題」(2回目)。 それから「私立大学の経営と運営」という話(3回目)をしたんですが、今日、4回目の深堀りライブですが、「非営利組織の経営を考える」というタイトルにしました。

非営利組織の経営とは?

非営利組織というとNPOとかを思い浮かべる方も多いと思うんですが、実は非営利組織っていうのはもっと広い概念で、例えば一番私が念頭に置いてるのは大学ですね。 大学とか学校、これも非営利組織なんですよね。その経営です。

つまり企業以外の、営利組織以外の組織の経営は、大体これに当てはまるんです。 ところが、この非営利組織の経営については、あまり書かれたものも多くないし、認識としても、例えば経営というと、企業も学校もどっちも経営っていう意味では一緒だと思っている人が多い。

前回の深堀りライブ(「日本の私立大学の運営と経営を考える ①」深掘りLIVE #3)では、下手に民間企業で経営で成功した人が学校経営をやると失敗するという、そんな話をしました。

それは、非営利組織の経営と営利組織の経営は違うということが分かってない場合が多いからなんですよね。 そういう意味で非営利組織の経営については、もっと認識を深めないといけない。 特に、大学や学校法人の運営に関しては、非営利組織の経営を知らないと失敗するということなんです。

非営利組織としての大学・学校法人の運営

多くの大学、学校経営っていうのはこれから淘汰の時代に入って、失敗していくところが多いと思うのでこのテーマを取り上げたいと思います。 その時に一番参考になるのは、ピーター・ドラッカーです。 ドラッカーといえば有名人なので、今やみんなみんなドラッカーを知っているわけです。

でも、ドラッカーは経営のノウハウを書いた人では全然なくて、経営学という学問を作った人なんですよね。しかもそれは非常に広い視野の下で作られてるんです。 単なる経営のノウハウではなくて、人間が作る組織のマネジメント全般について考察をして、それを理論にまとめた人です。 だからそういう意味では本当にすごい人なんですね、ドラッカーは。

しかもドラッガーは単なる組織マネジメント論ではなくて、むしろそれこそポストキャピタリストソサエティとかね、いわゆる政治とか社会についても非常に大きな議論をする人なんですよね。 実は、ピーター・ドラッカーのおじさんにはハンス・ケルゼンという国際法学者としても知られてますけども、この人も実は全体主義批判、あるいは社会主義批判、レーニン批判とかをしっかりとした方なんですよね。

それからドラッカーは、実はカール・ポランニ、知ってますか、カール・ポランニ、経済人類学者です、とも非常に親しかった。 私、カール・ポランニの『大転換』っていう、市場社会論なんですけど、これも大好きで。 カール・ポランニのその市場社会論は、私も論文で引用、参照させていただいたことがありますけど、これは本当にすごい本なんです。あんまりちゃんと読んでる人が少ないんですけど、社会科学者でも。 カール・ポランニの『大転換』を読んでなかったら、もうほとんどダメだと思うんですよね、僕は。社会科学者としては終わってると思うんですが。それからドラッカーですね。

ドラッカーの組織マネジメント論と『非営利組織の経営』

組織マネジメント論、そして政治社会論を展開したこのピーター・ドラッカーを、それこそノウハウ本のところじゃなくて、本当に深い理論のところから読んでいないと、もう社会科学としては成り立たない。 特に、組織論ですね。組織マネジメントがうまくいかないと全体主義に陥りがちになると。全体主義的傾向を帯びると。つまり組織がうまくいかないから、権威的、統制的にコントロールしようとするわけですよね、組織をね。

そうならないためには、むしろ組織のマネジメントっていうことをしっかりとやるべきなんだ。これはもう人間社会の必然なんだっていう意識で彼は書いてるわけですよ。 だからすごく重要なこと、単なる一経営学の領域の話じゃないし、経営のノウハウ本でもないわけですよね。ドラッカーはそういう使われ方ばっかりしてるんですが、そういうもんではないと。もっと深いんだよっていうことを知ってほしいなっていう気持ちもあります。

その彼が『非営利組織の経営』っていう、まさにドンピシャの本を書いていて、これ私のバイブルですね。大学経営に関わる人は、このドラッカーの『非営利組織の経営』を読んでいなければ経営はできないぐらいに思ってると。ところが、これをちゃんと読んでる人はほとんどいないっていうね。本当に困った話になっているわけです。

企業と非営利組織は根本的に違う

これは学校だけじゃなくて、病院とかね、公益法人、特殊法人、それから全てのNPO、これは全部、非営利組織なんですね。 それに関わる人はみんな、この非営利組織の経営を、それこそ一つのバイブルのように読んだほうが僕はいいと思ってるんですよね。ところがそういう人たちも、なぜかドラッカーの「営利組織の経営」論、つまり「企業のマネジメント」論を読んでわかった気になってるというね。そこで大きな過ちを犯すという話になっちゃってる。

企業と非営利組織は根本的に違う。だから経営のマネジメントの仕方も根本的に違うっていうね、この認識を持ってない人が多すぎる。で、ドラッカーのマネジメントの受け売りでね、大学運営、学校運営にも適用しようとするから、大きな問題が生じてしまうっていう、そんな話なんです。 私自身は政治学が専門なので、ドラッカーの政治論の部分ですね、ポスト資本主義社会とか、そういうのも含めて結構読んでます。新しい現実とかね、知識社会論とかね、そういうのも読んでますが。一方で企業経営論っていうのも多少は読みましたけど、そんなに突っ込んで読んでなくて。

やっぱりこの一冊だけですよね、『非営利組織の経営』。ドラッガーが書いたのはね。これがすごくやっぱり重要ですね。 そのエッセンスをね、私なりの理解に基づいて、お話ししていこうと思います。


大学経営者が「非営利組織の経営」を知らないという問題

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