【元学長の体験的大学論】 低迷する私学の本当の原因は理事会にある
私立大学の担い手には、理事、教員、職員、学生がいる。
ダメな大学ほど、「うちは学生がダメだから」となげく理事と教職員が多い。これは昔ながらの悪しき慣習のようだ。
理事会がダメ、教員がダメ、職員がダメ、学生がダメ。全部ダメではもちろん救いようがない。
だが、本当にダメなのは誰なのか。
ダメな私学の本当の原因は理事会にある
これは、もっともダメな大学の例である。
私がつとめていた大学がそうだったという話ではない。念のため。
私の私学体験はちょうど四半世紀に及ぶ。1996年から2017年までを私立の音楽大学で、2017年から2021年まで私立の芸術系大学で過ごした。この25年のうち10年間は、学長として深く私学経営にも関わった。
私の私学体験に基づいて、あえて独断的な主張を展開してみたいと思う。
大学にいまだ現役で在籍している人は、なかなか本音を思い切って言えないだろう。だから、フリーな立場でフリーに書いていきたい。
さて、ダメな私学とはいかなる大学なのか。ダメな大学はなにがダメなのか。
この記事に書く内容が、おおくの私学関係者にとって心当たりがないことを心から切に願うばかりである。
日大の理事長の背任事件は、氷山の一角である。
もちろん、すべての大学の理事会と理事長がこうであるわけではない。だが、理事長や理事などによる背任はあとを絶たない。
背任とは、文字通り、任に背くことをいう。
私学の世界には、犯罪に至らないまでも、任に背く理事はじつは山のようにいるのではないだろうか。
こうした事態を受けて、2025年4月には改正私立学校法が施行される。
問われているのは、私学のガバナンスだ。
だが、ここには「罰則の強化」だけでは解決しない根深い問題がある。
大学設置基準すら読んだことのない大学理事もいる
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