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本  ほんのさわりだけ

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本の紹介です。書評ではありません。ほんのさわりを紹介するだけです。 月に1〜2本ペースでのんびりと更新します。
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#人類

『人類の起源』〔本〕人

古代DNA研究の近年の進展はすさまじい。 コロナウィルス検知で有名になったあのPCR法である。そしてここから「古代DNA研究という新たな学問分野」が生まれることになった。 古代人類のゲノム解析は、古代人骨や化石から抽出したDNAを解析する次世代シーケンサーの登場によって大きく進展した。次世代シーケンサーとは、DNAやRNAの塩基配列を高速かつ効率的に読むための技術である。従来のシーケンサーよりも大量のデータを短時間で取得できる。 これにより、高品質なゲノム情報を得ることが

『ヒトは〈家畜化〉して進化した』〔本〕人

なぜ、ホモ・エレクトゥスやネアンデルタール人は絶滅し、なぜヒトだけが生き残ったのか? 本書において「ヒト」とは、ホモ・サピエンスをさす。 本書は、〈自己家畜化〉仮説によって「ヒトの進化」を解き明かそうとする意欲作である。 邦訳タイトルは、衝撃的だがやや誤解されやすい。決してヒトが〈家畜化〉されたわけではない。ヒトが動物を〈家畜化〉して進化したということでもない。 本書の主張はこうである。 「ヒトは《自己家畜化》によって進化した」 いったいどういうことだろうか。