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本  ほんのさわりだけ

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本の紹介です。書評ではありません。ほんのさわりを紹介するだけです。 月に1〜2本ペースでのんびりと更新します。
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#進化

『言語の本質』〔本〕人

ことばとはなにか。 1990年代以降の言語学は、構文論と意味論の世界に明け暮れた。 抽象的な記号論の世界は、私にとってはまさに「記号から記号へのメリーゴーランド」であった。 この30年間で機械学習の世界が格段に進化した。 機械学習の進化という必要不可欠なプロセスを経て、ようやくたどり着いた。それが「記号接地問題」である。 機械学習の進化によって、あらためて「言語とはなにか」が問われるようになったのだ。 本書は、「言語と身体の関わり」を考えることで、ヒトの「言語習得」

『火の賜物』〔本〕火

この問いに対して、それは「火の使用と料理の発明だった」という「新しい答え」を示したのが本書である。 「料理」こそが、「食物の価値を高め、私たちの体、脳、時間の使い方、社会生活を変化させた」のだという。

『ヒトは〈家畜化〉して進化した』〔本〕人

なぜ、ホモ・エレクトゥスやネアンデルタール人は絶滅し、なぜヒトだけが生き残ったのか? 本書において「ヒト」とは、ホモ・サピエンスをさす。 本書は、〈自己家畜化〉仮説によって「ヒトの進化」を解き明かそうとする意欲作である。 邦訳タイトルは、衝撃的だがやや誤解されやすい。決してヒトが〈家畜化〉されたわけではない。ヒトが動物を〈家畜化〉して進化したということでもない。 本書の主張はこうである。 「ヒトは《自己家畜化》によって進化した」 いったいどういうことだろうか。