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本  ほんのさわりだけ

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本の紹介です。書評ではありません。ほんのさわりを紹介するだけです。 月に1〜2本ペースでのんびりと更新します。
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2023年3月の記事一覧

『火の賜物』〔本〕火

この問いに対して、それは「火の使用と料理の発明だった」という「新しい答え」を示したのが本書である。 「料理」こそが、「食物の価値を高め、私たちの体、脳、時間の使い方、社会生活を変化させた」のだという。

『ヒトは〈家畜化〉して進化した』〔本〕人

なぜ、ホモ・エレクトゥスやネアンデルタール人は絶滅し、なぜヒトだけが生き残ったのか? 本書において「ヒト」とは、ホモ・サピエンスをさす。 本書は、〈自己家畜化〉仮説によって「ヒトの進化」を解き明かそうとする意欲作である。 邦訳タイトルは、衝撃的だがやや誤解されやすい。決してヒトが〈家畜化〉されたわけではない。ヒトが動物を〈家畜化〉して進化したということでもない。 本書の主張はこうである。 「ヒトは《自己家畜化》によって進化した」 いったいどういうことだろうか。

泣いた赤おに  絵本の思い出2

いろんな版の絵本があるようだが、おすすめしたいのは原文に忠実な偕成社の1993年版だ。私が読んだのは、たぶん偕成社の1965年版だった。幼稚園児の頃に近所の児童館で何度も何度も何度も読んだ。 最近はオペラとしても上演されているようだが、残念ながら私は見ていない。 だれもが知っている話だと思う。 あらすじを紹介しておきたい。以下、「」はすべて原作からの引用である。 そのおには、「おにの子どもが、いたずらをして」「小石をぽんと投げつけようとも」「にっこり笑って見てい」るよ

三ねんねたろう  絵本の思い出1

いくつかのバージョンがあるらしいが、私が読んだのは、1967年ポプラ社発行のものだ。私は1963年生まれだが、幼稚園児の頃に近所の児童館で、何度も何度も読んだ記憶がある。 ただ寝ているのではない。怠け者にみえても、世のため人のためにいろいろ考えているのだ。そして、最後には世の役に立つことを成し遂げるのだ。