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【連載】日本の音大に未来はあるか?

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「日本の音大」をふたつも、しかも学長として、いやというほど経験した政治学者として、音楽に憧れ音楽に夢み音楽を志す若い世代のために、日本という国の将来のために、音大の未来について語… もっと読む
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#学科

「日本の音大」に未来はあるか? 序章

2010年に音大の学長に就任して以来、いつか書かなくてはならないとずっと思い続けてきた。ようやく落ち着いた時間を取り戻したので、今回こそは着手する。これもnoteの効用である。 もう一つのきっかけは、「音大崩壊」という本の出版である。 「音大の生き残り」がようやく世間の関心事になってきた。だが、私の経験からいって、本書が提言する処方箋だけでは到底「日本の音大」を救うことはできない。 ということで、ようやく重い腰をあげて、【連載】日本の音大に未来はあるか? を書きはじめる

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15年以内にすべての「日本の音大」は一学部一学科になる 【音大アドバイザーの仮説的推論】

なかなか理解されない「一学部一学科制」。笑。 なぜか、学科は多い方がよいという根拠のない思い込みがあるようだ。 これは必然である。 だから、はやく1学科にしたほうがよい。これがこの記事の結論である。 下図は、日本で「音楽大学」と名のつく大学の学科数の変遷である。 見てわかるとおり、現在、日本の音大はすべて2学科もしくは1学科となっている。より詳しくは、下の記事に書いた。 20世紀末までは違った。一部の例外を除いて、3〜4学科が普通であった。7学科なんていう大学もあっ

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【元学長の体験的大学論】一学部一学科制のススメ (小規模大学編 1 日本の音大)

若くして二つの大学で学長を経験した政治学者として、日本の大学についてもたくさん思うところがある。 そこで、【元学長の体験的大学論】として連載を始めることにした。あえて論証よりも独断的な主張に偏向した記事として書いていく。 第一弾は、日本で社会人学生が増えない理由についてであった。 第二弾は、一学部一学科制のススメである。 じつは①と③は、第一弾「日本で社会人学生が増えない理由」と関連している。そして②は、今回とりあげる第二弾「一学部一学科制」というテーマと関連している。

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