歴史認識問題と慰安婦問題の真相一朱益鐘出版記念講演会を踏まえ「公開討論」を求める!
昨日14時から新宿で歴史認識問題研究会主催の出版記念講演会を開催し、『反日種族主義「慰安婦問題」最終結論』(文藝春秋)の著者である朱益鐘氏が「嘘の歴史に振り回された慰安婦運動時代の終焉」と題して講演した。
485頁に及ぶ大作をパワーポイントを使って見事に説明したプレゼン力に感服した。講演後、名刺交換をして御礼を述べたところ、私の論文「『朝鮮人虐殺』映像についての一考察」(歴史認識問題研究会編『歴史認識問題研究』第3-4号、モラロジー研究所歴史研究室[2018ー19年刊〕所収)を参考文献にしたことを明記(474頁)したと告げられ、該当頁を見せて下さり感動した。この歴史的大作のささやかなお役に立てたことが嬉しかった。
私が副会長を務める歴史認識問題研究会は8年前にモラロジー研究所(現モラロジー道徳教育財団)歴史研究室と共に発足し、月例研究会と公開講演会を積み重ね、年に2回研究紀要『歴史認識問題研究』を発刊し、私も毎号論文を掲載してきた。
自国の歴史をいかに認識するかは、他国の干渉を許してはならない国家・民族の独立を支える支柱である。ところが、事実無根の日本を非難する歴史認識が外交を阻害し、我が国の名誉と国益を大きく傷つけている。本来なら歴史認識問題は外交課題ではなく、学問的課題とされるべきことである。
国、民族が異なれば歴史認識が一致することはあり得ない。それ故に、近代国家は国家同士の利害が衝突する戦争が終わった後、条約を結び領土を割譲し賠償金・補償金を払って外交的に過去を清算してきた。我が国も大東亜戦争の清算を、7年間の占領後に結ばれた講和条約で終え、東南アジア諸国、韓国、中国などとも条約・協定に基づき賠償や補償などを実施して過去の清算を終えた。
ところが、1980年代初めに日本テレビの記者が文部省記者クラブの勉強会で「中国華北への侵略」という教科書記述を文部省検定で「華北への進出」と書き換えさせたという誤報が全マスコミに広がって「万犬虚に吠える」(渡部昇一)騒ぎを契機として「第一次教科書事件」が起き、歴史認識問題が新たな外交課題とされた。
その後、首相の靖国神社参拝への干渉が始まり、ついに1990年初めの「慰安婦問題」の勃発で、歴史認識問題で我が国が外交的に一方的に責められる構図ができあがってしまったのである。その結果、事実無根の日本を非難する反日歴史認識が外交を阻害し、我が国の名誉と国益を大きく損ねてきたのである。
中国、韓国などが歴史認識問題を外交に持ち出すのはそれぞれの事情がある。しかし、彼らが使っている日本批判の材料の多くは最初に日本の反日マスコミ・学者たちが「マッチポンプ式」に持ち出したものである。心ある日本の有志はこれまで、国内の反日勢力に対して客観的事実に基づく実証的反論を行ってきた。
元慰安婦たちが住む韓国の「ナヌムの家」に展示されている多くの資料が日本発のものであり、ユネスコ「世界の記憶」「慰安婦の声」として登録申請された資料の多くも日本発であった。たとえば、イギリスが登録申請した慰安婦資料を英戦争博物館で調査したところ、その重要資料は「日本の戦争責任資料センター」が平成5年から出版していた機関誌『戦争責任研究』で論文化していたもので、日本発であることが浮き彫りになった。
産経新聞がイギリスが登録申請した資料の問題点を1面トップ記事で詳報したため、こうした「マッチポンプ式」構造が明らかになった。歴史認識問題研究会が朝日の慰安婦報道の誤りを検証する報告書を公表した結果、朝日新聞が慰安婦報道の一部の誤りを認めて謝罪するなど国内の論争ではそれなりの成果があった。しかし、国際社会ではまだ、反日勢力の影響力が強い。我が国政府は国連や国会では「慰安婦強制連行」「性奴隷20万人」説を明確に否定したが、は体系的かつ組織的な反論に踏み切っていない。そこで私たちは、我が国の名誉を守る基礎研究をするために歴史認識問題研究会を立ち上げたのである。
西尾幹二電気通信大教授に藤岡信勝東大教授を紹介して調布市の喫茶店で「新しい歴史教科書をつくる会」の結成に向けた協議を行い、漫画家の小林よしのり、坂本多加雄学習院大教授を加えて発会し、私は副会長として西尾会長を支えてきた。発起人代表に、林真理子氏(現日大理事長)や阿川佐和子氏らも名を連ねていた。
朱益鐘氏は「慰安婦物語」を検証し、慰安婦は3万5千人前後で、1番多かったのは日本人、2番目は中国人、3番目は韓国人で、「少女」ではなく、法的に17歳以上、実際は20歳以上であったとし、「官憲の強制連行」ではなく「業者の募集」であり、前借金を受け取り、働いて返済する高収益の契約労働者であり、「朝鮮人慰安婦虐殺」は捏造であると断定した。
2016年に韓国で上映された「鬼郷」という映画の慰安婦の「官憲による強制連行」というのは作り話に過ぎず、家族からの苦情も全く寄せられていないという。中国戦線の慰安所に行く時には、家族の同意がなければ発行できない身分証明書、慰安婦営業許可願、親権者承諾書、戸籍謄本、印鑑証明書が必要不可欠である。すなわち、拉致、誘拐、強制連行ではなく「契約」なのである。
元慰安婦が巨額の貯金をしていたこともあきらかになっており、文玉珠の野戦郵便貯金通帳には3年1か月間で約2億円、金安守の2年4カ月間の貯金は約1億円であったことが判明している。
また、ソウル大学社会学科の鄭鎮星人権センター長(国連の女性差別撤廃委員会委員として、日本政府の「慰安婦強制連行」「性奴隷」否定論に反論)は、「中国人兵士が死んだ日本兵の靴下を脱がしている」という文章と「穴の中の死んだ市民、女性、子供たち」という別々の文章をくっつけて、
「中国人兵士が穴で死んだ日本兵、民間人、女性、子供たちの靴下を脱がしている」と解説して、「朝鮮人慰安婦虐殺説」を捏造したのである。
現在、ユネスコの「世界の記憶」「慰安婦の声」登録申請文書に関する対話勧告がユネスコから出され、関係国で協議中であるが、この「対話」には朱益鐘氏や『反日種族主義』(韓国で10万部、日本で40万部のベストセラー)の共著者にも加わっていただきたい。朝鮮人虐殺説を捏造した鄭鐘星ソウル大教授をはじめとする日韓の反日学者たちに「公開討論」を申し入れたい。彼らが私たちの「公開討論」要請にどう対応するか注視したい。
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