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きらきらと薄き陽ざしにぬくむ猫冬の運河のほとりに眠る/小﨑ひろ子

「うたそら」第十二号掲載のテーマ詠「温」。

文法上、擬態語「きらきらと」は連用修飾語として「ぬくむ」にかかっている。それに加えて「眠る」にもかかる。いずれも「きらきらと」によって修飾されることで撞着語法のような効果が生じている。「ぬくむ(温む)」は、あたたまるという意味。

「運河」という動きを思わせる具体により、猫が眠って見る夢や眠った猫の周囲で展開する物語を想像させる。句切れのないこともその流れを思わせる効果を助けている。

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