設計に関する48章『重くするな強度計算』

『重くするな強度計算』
副題:重量軽減
機械設計でも特に、移動式クレーンとか高所作業車は車検枠があるので、いかに軽く、いかに作業範囲を広く また高揚程まで行けるかが競合との比較対象になる。
例えば、高所作業車の場合、バケット周りの重量を1kg下げられれば車両のカウンタウェートは10kgは減らせることになる。
メインのブームもいかに軽量化出来るかは、移動式クレーンの高揚程タイプだとブーム断面形状だけでも、多くの特許が出され 生産技術はそれを製品化する為の設備開発を実施することになる。
昔は安全率を1.7で固定的に考えた設計であったが、市場の使われ方をカウンター等で取得し、車両の負荷条件、負荷回数を決め、 材料の疲労限度線図などから、機種群毎に強度判定基準を見極める。
それでも、不確定要素があるので、10年寿命ではなく、20年寿寿命判定を考える。
応力判定的には1kg/cm2程度ではあるが、それをクリアするのに設計者は、FEM解析し過去実績の実応力と比較し想定応力を検討する。
地道な作業を繰り返し軽量化開発にトライして行くことになる。
建築の場合も、耐震設計とか、免震、制震、耐震壁、鉄骨軽量化、高強度鉄骨構造とか様々な方法があるようだ。
杭設計においても、軽量化を図るべきであり、重機の性能によっては、ギリギリであれば軽量化をし1本でも少なく することで、基礎部分の軽量化にも繋がることになる。
杭の軽量化としては鋼管杭があるが、工法含めての価格設定となるので安価では無いが、鉄筋かごを工夫して 上手く鋼管部分をロールベンダー等で取り入れられれば軽量化を図れる。
ギリギリの場合、主筋をダブルとした場合、外側を太い鉄筋丸棒、内側を少し細い鉄筋丸棒として、強度満足しないか等 工夫することで軽量化は可能だと思う。
ギリギリの場合、主筋のラップ、フープ筋、補強筋、などのラップは規格プラス0.1mなどを検討する事で、どこまで軽量化可能なのかを検討すべきである。
設計者は常に、どうすれば解決可能なのかを模索しなければ面白くない。 出来ない理由を並べずに、こうすればより良い設計になるを設計者は考えて欲しいと思う。 成功すれば、顧客満足度も増すし、会社の利益に繋がる。

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