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弱さ

髙橋 直揮

私の事務所に数年前から定期的に花を届けてくれる方がいる。

最近、話題になっている某宗教の方だ。

わざわざ事務所まで花を届けてくれるので(ついでに某宗教の本も)いつもありがとうございます。と、お礼を言う。

うちの奥さんは「気持ち悪いから」捨てたら。と言うが、花に罪はないので、とりあえず花瓶に水を入れて飾る。花に盗聴器が無いことを確認してからだが。

花に罪はないし、その人にも罪はないことはわかっている。何故なら、いつも立ち話ではあるが、ホント、大したことない世間話しかしないからだ。私の事務所にいつも何の目的で来られていたのかが、未だにわからない。


いつだったか、立ち話の中で「○○教会なんか辞めた方がいいんじゃないですか」と言ったことがある。

私は人間が弱った時にすがる宗教という存在が、人間の弱いところに入り込んで、徐々に感染していくという過程に至ったことがないので、何でも言いたいことを言う。

ちなみに、私は決して宗教を否定はしないし、それで人生が幸せだと感じるなら、それが先祖代々引き継がれているのなら、それで良いとも思っている。

宗教には詳しくはないが、それぞれの宗教の成り立ちって、多分、初めは、弱者や貧困といった人たちのために、教祖的な人が始めたのだろう。

一般的に否定されている宗教も、初めから「悪徳な勧誘や搾取」をするのであれば、信者も増えないし、大きな宗教団体にはなれなかったかと思われる。

今般の事件で見ると、入信し、金品を巻き上げ、家庭が不幸せになり、親戚や他人に迷惑をかける。反面、団体は巨大化し潤う。経済的に潤うことから様々な面で力を着ける。富と名声が揃うことから、信者は「ここにいれば幸せになる」「ああ、やっぱり間違えはなかったんだ」と、信仰を深めるのであろう。

弱い人を利用し、マインドコントロールした、ある種の、犯罪である。


こんなことを思い出した。

30年ほど前に、高校時代の同級生から突然、電話が来た。

「今度、ゆっくり会わないか。高校時代、直揮はケガが多かったから、力になりたいんだ」とのこと。

ちなみに私のケガなど、今となっては、かすり傷程度だ。

会う前に、そいつの話を電話越しに聞いた。
結論、宗教の勧誘だった。

当時の私は、今とあまり変わりなく、やはり毒を吐いた。
「お前、アタマ大丈夫か?こんなことしてっと、友達減らすぞ」と言って、電話をガチャ切りしたような気がする。

本人は私のことを思って勧誘したのか、どうなのかは分からないが、危うく入信させられるところだった(有り得ないが)

こんなこともあった。

若いころ、歩いていたら突然、私の頭に手のひらをかざして「幸せにしてあげます」と言ってきたので、とっさに「お前みたいなヤツが世の中おかしくするんだ」と返した記憶がある。

その人は、今にも泣きそうな顔をしていたことを覚えている。


人間は弱い生き物である。

今より幸せになりたいから、自分の力では成し得ないことを、神に祈りを捧げる。その行為は正しい事であると思うし、信仰することから、勇気づけられ、新しい自分を見つけることもあるかもしれない。

間違えてはいけないのは、「自分が幸せになる」ために、周りの人を不幸にはしてはいけないことだ。そして信仰している自分を、別な自分で見つめ直すことではないか。


今般の襲撃事件以降、その宗教の方は来なくなった。だから花をもらうこともなくなった。

元気にしているのだろうかと、ふと思い出す時もある。

改めて自分を振り返るに、宗教ではないのだが私自身、朝の情報番組の占いに、一日振り回されるのにも似てるのか、とも思うのだった。

髙橋 直揮
新潟県議会議員 2011年の統一地方選にて新潟市西区選挙区にて40歳で初当選。 趣味は日帰り温泉巡り、サウナ、ジョギングなど。 公式ホームページ https://takahashi-naoki.jp/