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誰のため?

地方自治という言葉が使われてどのくらい年月が経っただろう。
今やそんな言葉すら聞くことも無くなった。

東京一極集中という状況は変わらない。むしろ加速しているようにも感じる。コロナ禍の影響で地方に移住する人も増えたが、18歳の春を迎える若者が大学を卒業し、そのまま東京で働くというトレンドは定着している。

新潟県で生まれ育った私は、新潟県のために働くと13年前に決めた頃から新潟県の利益ばかりを考えている。そんな私がここ数年理不尽でならないことがある。

県外で消費されるエネルギーの貢献度だ。

時代は脱炭素社会に向かっている。
新潟県は天然ガスや原油の産出地、または豊富な水資源を活用した電力の供給など、長年に渡り、国内の電力の供給と脱炭素化に相当貢献をしている。

温室効果ガス排出量を削減のために必要となる森林も、県土の63%も森林を保有している。

また、稼働さえしてはいないが柏崎刈羽原子力発電所もある。そして稼働していた当時の移出地域は全て「関東圏」である。

そんな新潟県の地域特性があるにも関わらず、新潟県の努力やリスク、積極的な取組みは、関東圏のみならず全てといっていいほど評価されていない。

現状、電力使用に伴う温室効果ガス削減効果は、なぜか「消費地」においてカウントされる方式であるため、電力移出地域である新潟県の貢献度の認知はゼロに等しい。

そこは国の責任において新潟県が電力移出地域であることの評価を明らかにするべきである。

そして今後、検討が進められる「脱炭素成長型経済構造移行債」いわゆるGX債であるが、地域における資源を活用した再エネ導入による炭素の削減価値を評価するとともに、それに応じ電力移出地域のインセンティブとなるよう、重点的に配分をするべきでもある。

わかりにくいかもしれないので、わかりやすく言うと「新潟県は再エネ等の電力を他県のために、たくさん作っているのだから、その貢献度を消費地に対し明らかにしろ(関東圏等)」

また「評価した上で、今後検討が進められるGX債の配分は、新潟県に重点的に配分しろ」ということである。

さらにわかりやすく言えば、仮に百歩譲って柏崎刈羽原発が再稼働した際に、多くのリスクを背負い関東圏のために電力を移出し、さらに温室効果ガス削減に対し最大限に努力や協力をしているにも関わらず、なぜ新潟県が評価されない?なぜ誰も知らない?

関東圏のために新潟県がリスクを背負うのであれば、それ相応の対価を新潟県に対して支払うべき(原発立地交付金等とは違う形で)。それは今後進められるGX債で還元することも考えられるのではないか。と、いうことである。

個人的には他にも「条件」のカードはたくさん持っている。

新潟県の議会議員を務めている限り、原発には相当な政治的体力を奪われてきたし、これからもそうだろう。そして今後、どのような状況になろうとも、その判断と心中する気構えがなければ務まらないとも思っている。

いずれにしても、政府は新潟県の存在意義を甘く考えていると感じるし、関東圏もそう思っているなら、私は耐えられない。

都道府県は東京のためにあるのではない。その地域に住む人たちのためにあるのであることを忘れないで欲しい。