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ドクターとの約束と天国への希望
6月5日に大学病院で検査を受けたときに「あらたな病気がみつかりました、これは前の手術の後遺症によるものです」と告げられたときに目の前が真っ暗になった。
こんなことになるのなら、手術なんてしなければ良かったと悔いた。
悔やんだって何をしたって時計の針は戻せるものでもなくて立ちすくんだ。
このあらたな病に関しての根本的な治療法は、ない。
「なんのために生きているのだろう」
苦しんで苦しんで、まだやり残したたくさんのことをあきらめて臥している日々。後遺症だなんて私は言葉に詰まった。
ドクターが電子カルテを見ながら言った。
「えっと……他科でも……たくさんの病気を抱えておられますよね。脊椎関節炎、気管支喘息、腎臓病、それから……だとすれば薬も限られてくるのですが……でも一緒に頑張りませんか?わたしも精一杯に頑張りますから、一緒に頑張っていきましょう!」
えっ?と耳を疑った。「一緒に頑張りましょう」って言ってくださったの?
上から目線の「頑張れ」ではなくて「一緒に」と今、言ってくださったの?しかもドクター自身も「わたしも精一杯に頑張りますから」と。
患者なんてモルモットみたいなものだと思っていた。悪いところは切り取られ、あとは薬を処方されて、検査の日には精密な機械が解析してくれる。私の苦しみなんて想像もしたことがないでしょうと思っていた。
「一緒に頑張っていきましょう!」
長い歳月、闘病してはいるが、そんな言葉を聞いたことがなかったから、なおのことビックリした。私は決してモルモットではなかったのだ。
ドクターは尚も言う「わたしと約束しましょう、一緒に頑張るのだと」
確かに、人生でやり残した事は多くある。あきらめざるを得ない事々がたくさんある。けれど、なんて力強い言葉をいただいたのだろうか。
「なんのために生きているのだろう」この地上に私がまだ生きている理由があるとすれば、同じような哀しみを背負っている方々に寄り添い生きるためと願っている。
そして、あらたに目標もできた。「一緒に頑張っていきましょう!」と言ってくださるドクターに報いるために。それから、一番に身近なところで私を支えてくれているパートナーKさんへの感謝をこめて生き抜く。
そうだ、やり残した事柄や、あきらめた事たちは天国で思いっきり果たさせていただこう。
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