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『命日オプション』〜続きのある終わり〜

コロナ禍真っ只中の2020年11月に発足した一茶企画。

今回が第4回目のオリジナルミュージカル上演への挑戦でした。

一茶企画は得意分野である歌やダンス、お芝居を使って、一茶オリジナルナンバーでいろんなもののCMを勝手に作ってみよう!(勝手ミュ)とか、オンライン上にプロのミュージカル俳優さんをたくさん集めて1週間限定のWSサブスクをしよう!(うちでMUSICAL DAY!)など、ミュージカルの可能性を広げるべく、さまざまな企画に挑戦して参りました。


でもやはり脚本家、演出家、作曲家がいるミュージカル集団ですから、オリジナルミュージカルを上演するという企画が1番ワクワクするわけです。

『最後の晩酌』『大人の絵本の作り方』『人間泥棒』ときて、今回四つ目のオリジナル『命日オプション』。

実は一茶企画はコンサートなどの上演中止はあったものの、奇跡的にミュージカルの上演中止だけは逃れてきたんです。1番のワクワクは守られてきたんです。

さて、ご存知の方も多いかと思いますが一茶企画のワクワク企画第4段のチャレンジは、半分も道を進むことが出来ず、終了の鐘がなってしまいました。みんなで汗水流してつくった綺麗に舗装した道は目の前にあるのに前に進めない。果たして何のために道を作ったのか。進もうとする両足にはとてつもなく重い重りが巻き付いていました。悟空もびっくりです。

そんなこんななので、ちょっと通ってきた道、思い出をグダグダ振り返ることをお許しいただけたらと思います。

命日オプションの軌跡

一茶企画の田中雅樹とは、公演が終わるたびに『さぁて、次はどうしますかい?』『来年のスケジュール立てていかないとねぇ』という話がもっぱら。

確か昨年の夏頃『大人の絵本の作り方』が終わったあたりで、12月は伊久磨脚本の人間泥棒があるから次は田中脚本の順番だよねー。そしたら田中作演出でいく?高橋は出演に回ろっかね。いやーでも脚本と演出は分業でやってみたいよねー。って感じで田中脚本、高橋演出で5月ごろにしようかという話になった。(よく覚えていないけどなんかの都合で8月に遅らそうということになりました。)

『プロットは10月頭には出したほうがいいよねー』という話だったのですが、田中先生はとんでもなく忙しい人なので、締め切りを1か月ぶっちぎり。でもさすがは田中先生。3作のプロットを11月の頭に送ってきました。

『命日オプション…なにこれめっちゃ面白そう。』
読んでみたらびっくり、とんでもなく悲劇。こりゃ一茶でやるべきなのかどうか。でも悪魔が人を幸せにするために働いているってのはなかなか面白い視点だなぁ。

そんなことを思いながら人間泥棒のお稽古が佳境に。人間泥棒カンパニーの皆様はわかってくれると思いますが、東京、大阪をまたにかけて一つのミュージカルを作るというチャレンジはとんでもなく大変で。笑
他のことは一切考えられない状況に。
そんな中でも何度か自然と手にしていたのは『命日オプション』のプロット。

『魂の価値』『あなた、今幸せ?』この言葉がずっと頭に残っていました。

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