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短歌が生まれるまで・本編

昨日予告していた短歌のタネ明かし、始めます。


ある、曇りの日のことでした。


家の近所の土手沿い。
菜の花がずーっと群生している。
曇り空の下で、黄色い花が、眩しく光って見えた。

そこで、
見たまんま、短歌の形に当てはめてみたのがこれ。

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曇り空の 川辺に春の 天の川
菜の花の群れ 静かにゆれる

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いいと思った。

天の川

地上の星よ(by中島みゆき)

春ののどかさの陰で、
静かに咲く菜の花。

一雨ごとに、少しずつ暖かくなっていく中での、
ひんやりした一日。

いいじゃない。

と思いながら、繰り返しつぶやいてみる。

いいじゃない。

いいじゃ…ない?

静かにゆれる?

こないだも、このフレーズ使ったなぁ。

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線路脇の 菜の花揺らし 汽車はゆく
私の心も 揺れながらゆく

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菜の花を揺らしたがる私。

かぶるなぁ。

どうしよう…

と、強い風が吹いて、再び菜の花を揺らした。

手を振っている?

野生化して、間延びした菜の花。

ひょろひょろ、にょきにょき、

精一杯、背伸びしている?


花屋で売られているような、
手をかけて育てた花壇の花のような、

そんな美しさとは違うけれど。

そうね、きれいね。

うん、知ってるよ。

そう、声をかけてあげたくなった。


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土手沿いに 我も我もと 手をあげて
そうだねみんな きれいね菜の花

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中島みゆきから、SMAPへの変身。
(そうさ僕らは…)

曇り空との対比もいいけど、
これもいいね。うん。


ひとつ、テクニック的なことを付け加えると。

擬人化した菜の花の正体を明かさず、
最後の最後まで引っ張ってみた。

意外でした?
(ドヤ顔)


こんな風に、短歌を詠んでいます。

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