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京大「医学部医学科」に合格した子の言ったこと

  京大「医学部医学科」に合格した子の言ったこと

 京都大学の2022年度倍率

 理学部は募集人員301名のところ志願者数517名で倍率1.7倍。医学部は募集人員172名のところ志願者数349名で倍率2.0倍、うち、医学科は募集人員102名のところ志願者数224名で倍率2.2倍、人間健康科学科は募集人員70名のところ志願者数125名で倍率1.8倍。薬学部は募集人員74名のところ志願者数142名で倍率1.9倍。工学部は募集人員919名のところ志願者数1804名で倍率2.0倍。農学部は募集人員279名のところ志願者数503名で倍率1.8倍。


 今年は京大医学部医学科を受験する子がいるので、2.2倍が気になる。全国でたった102名しか合格できないのだから、受けるだけでも凄いんだけどね。昨年10名以上の合格者を出した高校は以下の3校だけ。単純平均では各県2名だけど、合格者は大都市に多いからここ三重県なんて京大医学部合格者に会うことはほとんどないですね。

2021年京都大学(医学部)合格者 高校別ランキング

医学部医学科 受験者311人 合格者109人

順位高校名所在地合格者数
1  灘高校                 私立    兵庫県神戸市東灘区    14
2  洛南高校             私立     京都府京都市南区       12
   東大寺学園高校   私立     奈良県奈良市              12

  私は過去3名の京大医学部医学科に合格した子を指導させてもらったことがある(通塾生1名、通信生2名)。つまり、「滅多に会わない子」はずの子を3人指導させてもらった。通信生には直に会ったことはないけれど、今はチャットツールで自由に質疑応答できるしテレビ電話も無料で可能だから通塾生とあまり変わらない。

 自分が現役生の頃は、一緒に北勢線で通っていた沿線の同級生が5,6人いたけれどその中の1人が京大医学部医学科に合格した。その子は言うまでないけど、京大病院のお医者様になられた。京大の教授なんて、普通は会う機会がないからどんな人が分からないのじゃないかな?

 上記のような進学校は三重県にはない。だから、予備校や塾を利用することになる。しかし、河合塾や駿台は名古屋まで行かないとない。三重県の大規模塾というと「秀英」と「エイスウ」だけど、京都大学医学部の昨年の合格者は「秀英」のホームページに全国200教室以上あって京大合格が6名。何学部か分からない。「エイスウ」はホームページを見ると60教室くらいで京大合格が9名。こちらも何学部か分からない。

 言うまでもないが、都市部に設置された本部からの合格者だろう。だって、私の近所の支部教室は「小学部・中学部」の看板がかけてあって高校クラスが無いんだもの。では、田舎に住んでいる秀才くんたちはどうしているのか?よく利用されているのは「Z会」のような通信添削です。

 でね、私は指導させてもらっている京大医学部医学科の受験生(と過去合格した3名)に尋ねてみたことがある。

「なんで、私のような無名の田舎の個人塾の講師に添削(指導)を依頼してきたの?」
 すると、全員同じことを言ったんだよ。
「だって、学校の英語の先生は〇〇大学卒だし」

  向こうも私に尋ねてきた。
「先生は英検1級持っているけど、名古屋大学卒だよね」
「本当に先生の言うとおり書いたら京都大学で8割(医学部の合格ライン)とれるの?」
 だから、私は京都大学を自分で受けて8割を超えられることを実証するしかなくなったわけ。

 関東なら東大を受ける子のすべり止めは早稲田かな。関西なら京大のすべり止めは同志社の子が多い。中京地区は名大のすべり止めは南山が多い。だから、ここ三重県だと南山と聞くと「名大を落ちたかな」と生徒は思う。すると、名古屋大学志望の子は
「南山卒では、名古屋大学医学部を受験する自分を指導できるのか?」
 と思うのを止めるわけにはいかないんです、本音ではね。


 じゃ、京大卒ならいいかというと医学部医学科を受験する生徒も保護者ももっと厳しい。
「京大のボーダーは65%くらいだし、合格者の平均は7割くらい」
 と知っているので、医学部医学科をめざす子は
「8割をめざすんだから、あの先生では頼りない」
 となるんです。


 野球で甲子園をめざす子なら、甲子園に出場した経験のあるコーチに習いたいですよね。プロをめざすなら、もとプロ野球の選手の指導を受けたい。メジャーをめざす子は、草野球のコーチの指導を受けようと思わない。

 予備校業界も塾業界も同じことなんですよ。厳しいですね。

 そんな子たちは、タレントがテレビで宣伝してもその塾や予備校には通わない。エビデンス(証拠)が全てなんです。だから、私のような田舎の無名の塾でも北海道から沖縄まで京都大学の受験生の中のトップクラスの子がたどり着いてくれるんです。

 ありがたい時代になりました。

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