週刊タカギ #2

こんばんは。高城顔面です。

この5日間で、全国で様々なものごとが起こり、とても困惑しています。
石川県を中心とした地震、羽田空港の事故、北九州の商店街火災……。

それらの出来事に直接に関わりのない自分が困惑してどうすんのよ、という話です。けれど、特に北陸には親戚や短歌仲間もいますし、金沢と高岡・射水の方には2回ほど旅行にも行きました。よい街でした。これ以上、各地で被害が拡大しないよう、今は祈っています。自分なりにできる範囲で何か手助けできることはないか探していきます。

その5日間の間、個人的な感情の揺れ動きも多かったこと、そうでないことも短歌に起こしていくように努めたら、結構な数の歌ができました。

かなり混沌としていますが、自分自身の記憶の記録としてこの場に残してみようかと思います。
次回以降は歌数もグッと減り、方向性も変わるかもしれません。まだまだ模索中ゆえ、ご理解いただければと思います。

ひとまず、ご覧ください。


本日は1/5(金)。短歌を掲載します。

『NIKKI #1』

1/1。実家に帰省中。
呑みながらお笑い番組をひたすら観ていた。
コロコロとセットが変わる正月の特番みたくドキドキしたい 

16時過ぎより、石川県を中心に頻繁な地震。
大津波警報が発令される。
海沿いにふさわしくない赤色や黄色の帯の日本列島
冷や水を浴びせるように鳴り響くチャイムの音が鼓膜にまわる
こんなにも燃えている町 ぼんやりと眺めつづけるだけで 苦しい
何はあれおなかは減るということはわかっていてもすすまない箸
メルマガは新年モード一色でifの年始をたのしんでいる
嘘ばかりまわる世界のその嘘がタイムラインに溢れつづける
年末をまだやっている井之頭五郎を見ると安心できる
ナタリーが更新しない 新年に明るい話が4時以降ない

1/2
箱根駅伝は予定通り行われた。
月並みな気持ちは徐々に薄れゆき個々の暮らしをまた歩みだす
カラフルな襷の横で島国は黄色い帯をまだほどけない

夕方、日航機が激しく燃えている。
飛行機が、燃えている。いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ
信じない信じたくない信じない信じられない信じずにいる
もうやめて、焔。できれば誰ひとり傷つけないで、苦しめないで。

結局は酔って床につく。
22時、自室はいつも変わらずにちゃちなわたしを受けとめている
焼け焦げていない部屋から何ひとつ不自由もなく世界をのぞく


1/3
昼過ぎ、バスで帰路へ。
銭湯の跡がファミマになっていてつぶさに街は変化してゆく

1/4
仕事始め。
システムに従うように通勤をしている今年四度目の朝

旧かな文語体(もどき)に初挑戦。
つかの間の厨に変はる正午から十三時までのわが事務机

働きたくない。
よく冷えたバニラシェイクのストローのように時間がもどかしい午後
冬はまだこれからなのだと思うとき、ふと見上げれば遠すぎる青


帰り道にブックオフに寄る。
「い」の棚に異世界ものが偏って個性について考えてみる

1/5
唇がわけもわからず切れていて暮らしの端がほころんでゆく


次回は1/8(月・祝)更新予定。一首評を掲載します。
この時点でまだひと文字も書けていません。新年早々どうなるのだろう。


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