週刊タカギ #18

ご無沙汰しております。高城顔面です。
少し長い春休みから帰ってまいりました。


本日は4/26(金)。短歌を掲載します。

『春の空想/現実』

End of World ひとつの生きものとして真夜中の桜並木は
さくらばな このひと晩のあいだにも降りやむことのない雨として
どこにでも行けたはずだろ パーカーのフードにたまる花びらを見る

まどろみの街に息づくひとびとの自由をつくるわたしの眠り
藍色のインクは意味を飛び出してとても静かに滲んでいった
ふるさとの料理のように「こんとん」とキャスターが言う7時のニュース

壮大な意志などなくて誰にでもできる仕事で生活をする
愛想で笑った日々のその果てに残ったものが何もないこと
突っ伏して終わった春の一日のどうしようもない28歳


次回は、5/3(金)更新予定。一首評を掲載します。


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