週刊タカギ #1

あけましておめでとうございます。高城顔面です。
2024年もどうぞごひいきに。

さて、突然ではありますが、せっかくnoteがあるのなら、もうすこし活用してみようじゃないかということで、「週刊タカギ」という新企画をはじめてみようかと思います。

この企画では、
(なるべく)毎週月曜日→短歌の一首評を載せる
(なるべく)毎週金曜日→未発表の短歌を載せる(連作でなくてもよい、理想は新作を一日一首程度つくる)
ということをやっていきたいと思います。

(なるべく)というカッコ書きがあるのは、わたしが体調を崩すことが多く、一日中なにもできずに部屋で寝込んでいる、ということがしばしばあるためです。なので、短歌や一首評のボリュームが少なかったり、期日が遅れたり、載ってなかったりしていたら「こいつ、体調崩したか…」と思っていただけると幸いです。

また、「増刊号」と題して、歌集評を行ってみたり、わたしがやっている短歌と雑文のネットプリント『高城紙面』(十首以上の短歌連作を発表していきます)も引き続き発行予定です。現在、個人的に好きなものごとと寸評を100個書き連ねる「高城を構成する100の何かしら」という記事も執筆中です。これらはいずれも不定期更新になりそうですが…。とりあえずがんばろう…。

自分の活動ペースの底上げ、継続力をつける、目標を掲げて弾みをつける、などなど様々なもくろみとチャレンジ精神のもと、うまく生活と並行して継続できればいいなあと思っております。よろしくお願いします。


本日は1/1(月)。一首評の日です。

これからはチュートリアルな愛をするU-フレットにある曲だけ弾いて

上條翔『エモーショナルきりん大全』(2021,書肆侃侃房)

連作「-ラブ山椒魚編-」より。「U-フレット」とは、インターネット上に存在する、ギター弾き語り用のコード譜を閲覧できるサイトである。わたしも時たま利用するが、著作権の管理者の許可を取った曲を掲載している模様で、運営費調達のためか、やたらめったらと広告が多い印象のあるサイトだ。

チュートリアルとは「操作解説」を意味する語である。RPGゲームをはじめてプレイするときに、仲間のキャラが「Bボタンを押すとダッシュするよ!」などと解説してくれたり、飛行機に乗ったときに、客室乗務員が救命胴衣の装着方法を教えてくれること、あれもチュートリアルの一種だろう。

ギターを弾く際に、プロなどの熟達者の多くは、歌詞を記憶し、曲を暗譜していることが多い。しかし、そうではない者は、スコアやコード譜を参考にしながら演奏してゆくことになる。「チュートリアルな愛」とは、コード譜を見ながら演奏するような状態、熟練した愛に到達しきっていないが、なんらかの情報を頼りに、手探りで愛をつかまえようとしているようなイメージだろうか。しかも「これからは」とあるため、一度「チュートリアルな愛」以外に果敢に挑戦して、躓いてしまった主体の姿が見え隠れする。

世の中のすべての曲がU-フレットに掲載されているわけではない。またU-フレットのコード譜に対して「実際に弾いているコードとは違うので、ちゃんと公式のスコアを見てくれ」と批判的なスタンスを表明しているミュージシャンを何度か見かけたことがある。「チュートリアルな愛」はあくまで最初の一歩の「操作説明」にしかすぎない。自らの目や耳で掴んだコードを信じられず「U-フレットにある曲だけ弾い」ていくようなことを続ける。このまま、その状態を継続するのは、とても困難な道だろう。自ら選択しているとはいえ、主体の自閉的な印象が遠くの方に見えるような一首だ。


次回の更新予定は1/5(金)。短歌を掲載予定です(できてれば)。




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