高樫 何某 /ショートショート

主な生息地はX(旧Twitter)で、そちらで140字小説を書いています。ここでは14…

高樫 何某 /ショートショート

主な生息地はX(旧Twitter)で、そちらで140字小説を書いています。ここでは140字以上のお話を書きます。

最近の記事

思い出の岬(掌編小説760文字)

ショートショート 『思い出の岬』(760文字) #文披31題 Day15 お題:岬 中学校の校舎裏に、小さな湖があった。 湖の形は、おおらかな目で見るとハートの形をしていて、湖の真ん中には小さな祠も祀ってあった。 一部の学生の間ではハートの湖なんて呼ばれて、告白スポットになっていた記憶がある。 ハートの尖った部分の方に校舎があり、ハートの窪んだ部分、湖の岬には桜の木が立っていた。 中学卒業の日、その桜の木の下で、僕たちは恋人になった──。 僕がこの思い出の岬に立つのは、

    • 夕方はまだ暑い(掌編小説480文字)

      ショートショート 『夕方はまだ暑い』 (480文字) #文披31題 Day1 お題:夕涼み 「今日の部活、キツかったな〜」 友人の春也がこぼす。 夏休みの第二中学校テニス部は、女子が午前、男子が午後を練習に使う。 午前は8時から12時、午後は13時から17時だ。 「マジそれな」 現在時刻は17時40分。 場所は学校の北側駐輪場。 練習が終わっても、コート整備をする必要があるし、着替えもしていると、こんな時間になる。 「地球温暖化ってやつ?いくら何でも気温、高過ぎだろ!もう

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