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資生堂が節目の年に打ち出す数々の躍進から時代を読み解く

今年150周年を迎える資生堂のブランド戦略。
業界をリードする資生堂が節目の年に打ち出す
数々の躍進から時代を読み解く

そんな資生堂の最近話題のトピックスを紹介

■まず、150周年の企業イメージ動画として

創業150周年に「OUR MISSION動画~A Journey of Beauty篇~」を公開 ~150年先も「美の力」で社会、地球をよりよく~

が公開された。
資生堂の目指す未来のあり方を、企業としての取り組みを美しい映像の中に取り込んでいる。イノベーションと環境問題、TECとの寄り添い方のバランスの見せ方が絶妙です。

環境問題、クリーンビューティの美容効果、TECとの統合など
今後どうなるのか?といった案件が
まだまだ自分事として不透明な中、資生堂は
自然に未来はこんな感じなのだろうか?と
想起させてくれるイメージ動画で
視聴者への意識の刷り込みと
リアリティをもって未来の落とし込みができる。

またこの動画で資生堂が
グローバル企業だということを改めて示している。
映像に映る、登場人物、幅広い年齢、ジェンダー、英語、場所、などいまグローバルで話題となっている事柄を幅広く網羅している。

我々が世界のビューティーを牽引していく
グローバルカンパニーなんだ。
という強く優しいメッセージにも感じられる。

素敵な動画なので、
アジアだけでなく、
欧米でもしっかり取り上げてもらえるような
アテンションになればと願います。

■次に資生堂の取り組みとして
美容部員さんの呼称をビューティーカウンセラーから
パーソナルビューティーパートナーに10月1日から変更。

次なる時代のビューティーコンサルタント、「パーソナルビューティーパートナー」誕生

長年BC(ビューティーコンサルタント)の呼び名で浸透していたが
よりパーソナルで、個人個人の美しさを共に
共感し歩んでいくパートナーという立ち位置を
明確にした呼称に変更。

多様性が求められる社会では
この取り組みは企業の方向性を示す
とてもわかりやすいアクションである。


それに伴い、店頭での制服を
“よりお友達感覚に“ をコンセプトに
多様なスタイルでアレンジの効く全14アイテムで豊富なバリエーションに変更する。

シンボルカラーでもある赤で作られた
リボンモチーフのブローチを全員がつけることで資生堂という共通認識を持っていただくのだそう。

美容部員の1人1人の個性を活かした装いで
接客をすることで
お客様の記憶に残る体験の一つにもつながる。

この制服の衣替えから発信する
企業メッセージも
シンプルな取り組みながら、
かなり分かりやすく
社内外へのアピールインパクトは高い。

また、
店頭に来られたお客様様が美容部員の
制服の変化に気づき
そこから話が広がり、
『実は資生堂はこれからの在り方として。。。。。。』
などと美容部員さんから
企業の方向性を身近に聞く場面があれば、
お客様へのしっかりとした記憶に残る。

一方で
友達感覚の店頭美容部員だけではなく、
デジタルに特化した美容部員もいる。

デジタル美容部員はインフルエンサーごとく
しっかりと顧客、新客との高いエンゲージメントをオンライン構築している。

個人アカウントから配信される
フィード投稿には
推しアイテム投稿に文字大きめでのアテンション、カテゴリーごと、テーマごとに
分かり易くまた身近な投稿内容になっている。

これらのインタ投稿は、お客様への
新しいトレーニング資料かのごとく、
統一されたフォーマットで、優秀である。


またデジタル美容部員はYouTubeにも登場しているのだが、
少しの憧れとお友達感覚を醸し出しながら
タレント以上の滑らかなトークで
配信を行っている。

美容部員さんの魅せ方の2パターンの戦略。

店頭での美容部員= 
何でも相談できるお友達。共感してあなたの人生の美の伴奏者。

デジタル美容部員=
憧れと身近な存在が混合するエンゲージメントの高い社内インフルエンサー(でもここではフォロワー数よりもエンゲージメント力にフォーカス)

このような戦略は
明快で心地良い。

個のパワーを使い、
パフォーマンスを上げていくことは
兵法でも大切なこと。

優秀な経営者は人材に投資をする。
人の成長=企業の成長 

お客様さまとのダイレクトなやりとりのある美容部員の
イメージはそのまま企業イメージになる。

そんな美容部員の人たちの個を
戦略として新たに時代に沿った取り組みをしている資生堂。

今まで見えてこなかった画一的な
美容部員の存在が
個を活かし
発揮するような美容部員へとより展開してくのであろう。

今の時勢を捉えた
素早い対応だと思う。

画一的な接客も終焉になり
本当の意味で対応力と現場力が求められ、
プロのアドヴァイス(パートナー的な)が
購入者も求めるのが当たり前になる日はすぐ。

何が流行ってますか?
どれが人気ですか?
イエベですか?ブルベですか?

のような美容部員への質問は少なくなり、
私は赤が好きで、私に似合う赤を教えてほしい。
といったような
自分主体の質問に対応する個の力が、
もうすでに必要になってきてる。

友達感覚で、とみせながら、
個人のリアリティにそったアドバイスを
するには高い知識と技術が必要に
なってくる。

美容部員の変化は
ニーズの変化でありマーケットの変化である。

Keep watching !!

Make up is fun / Beauty is power
5.cinq.




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